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約束のピンキーリング
【女性向け 官能小説】

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-3


私はいきなりの展開に頭が付いていかなくて。
言葉が喉に張り付いて出てこない。

代わりに出たのは一粒の涙で
その涙を見た岡本くんは、苦笑いして指で涙をふきとってくれた。

「了承だと思っていいの?」

苦笑いしながら、そう言う岡本くんに今度ははっきりとうなづいて
私のうなづきを確認して、岡本くんは箱から指輪を取りだした。

「ピンキーリングとエンゲージリングが対になるようにデザインしてもらった」

そう言って嬉しそうに私の左手の薬指にその指輪をはめる。


―――ピンキーリングのその隣に―――


「ずっと美しく咲き誇る、高貴な百合の花をイメージしてもらったんだ」

2つの指輪が連なる私の左手を眺めて顔をほころばせる。

「中村さんは―――百合は本当に名前の通り、俺にとって入社した時から高根の花だったよ」
「・・・」

「いつも大きなプロジェクトの専任秘書で、いつも素敵だった」
「そんな・・・」

「でも彼氏がいるって加賀部長に聞いて」
「・・・・」
「百合が幸せなら、とあきらめていたんだ」
「・・・・」

「だったらせめて百合の就いているプロジェクトに負けないほどの仕事をしたいと思って、いつの日か仕事でパートナーになれる日を夢見て、がむしゃらに頑張ってきた」

そんな事・・・
思ってたの?

「それなのに。会社に入って1番最初のデカイ仕事がやっと回ってきたと思ったら
加賀部長が、秘書課にプロジェクト秘書を依頼して・・・中村さんを指名したんだ」

え・・・!

指名?

「部長は俺が前から中村さんに憧れてたのを知ってて、わざとしたんだ」

そうなの?




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