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約束のピンキーリング
【女性向け 官能小説】

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「今からでも俺たち時間差で出勤する?」

会社のエントランス付近まで来て、岡本主任は再び笑いながらそう言った。

絶対に本気で言ってるわけじゃない。
明らかに顔が楽しそう。

「そんな時間ないですって!今日は朝一で社内会議ですよ」
「そうだったな」

のらりくらりといい加減なことを言うけど
「うちの」プロジェクトを任されてる人だ。
社内評価の高さは異例だ。

そもそも・・・
経管は社内の精鋭たちが集う。
あの華やかな3人の同期たちに目が行きがちだけど
本来は何千人という全国の同期入社の中から毎年1人か2人が経管に配属される。
配属がない年も珍しくない。

そこで同期より1年早く主任に昇進をした人だ。

いったいどんな頭の回転をしているのか検討もつかない。

「資料はそろっています。フォルダ名はオープニング会議です」
「ありがとう。昨日中村さんが寝た後に目を通した」

いつの間に・・・

「15pの図2は要らない」
「え?」
「あの図は、逆の印象を与える可能性がある」

あぁ、私が迷って、入れるか後で指示を仰ごうとした図だ。

「分かりました。削除して会議の出席者にパス付のメールで送ります」
「いや。もう経管の事務に指示してある。
朝一で取りかかってくれるはずだ」

早い。

「社内で待機する事務が出来ることは遠慮なく回して」
「はい」
「中村さんには秘書として効率よく動いてもらう」
「はい」

話し方がビジネスライクに戻った。

誰よ・・・
俺には秘書はまだ早いって追い返そうとしていたのは!

エントランスからエレベーターに乗ると
この時間で、すでにひと仕事を終えたような雰囲気の武田さんも乗って来た。




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