投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

渡れない岸辺
【兄妹相姦 官能小説】

渡れない岸辺の最初へ 渡れない岸辺 18 渡れない岸辺 20 渡れない岸辺の最後へ

5-2

「麻衣、迷わずに来れたか?」
 クリスマス、みなとみらい駅構内にあるマックで雄介と麻衣は待ち合わせた。
「また子ども扱いするぅ……夏にも渋谷には行ったじゃない、そこから一本なんだから間違えっこないよ」

 学園祭の夜、新宿のホテルで泣いていた麻衣……。
 だが、あれで吹っ切れたのだろうか、明るい顔で待っていてくれた。

「ははは、それもそうか」
「えへへ、でも渋谷駅で結構迷っちゃった」
「何だ、やっぱりか、でも山手線から東横線って結構分り難いからな、俺も上京したてのときは迷ったよ」
「お兄ちゃんでも? だったらあたしなら無理もないね」
「そういうこと」
「もう塾は終わったの?」
「ああ、四年生で卒業後はUターンする人がいてさ、今年は正月帰らないって言うからお願いしたら代わって貰えた、明日は一日休めるよ」
「本当? 嬉しいな」
「ああ、姫様に横浜を隅々までご案内しましょう」
「えへへ、でも妹でいいの?」
「先輩に代わって欲しいって言ったら、『彼女とクリスマス・デートか?』って言うからさ、『そうです』って言ってきたよ、麻衣とデートするの楽しみにしてたんだぜ、どこへ行きたい?」
「あれ!」
 みなとみらい駅のマックからは観覧車が良く見える、横浜・みなとみらいと言えばランドマークタワーと共にシンボルだ。
「よし、食事まで少し時間があるし、すっかり日が暮れるとかなり並ばないといけないだろうからな」

 夕暮れ時の観覧車もなかなかロマンチックなものだ。
 まだ日は暮れ切っていない、薄明かりの中だがもう街の明かりは灯っている、夜になってしまえば海は真っ暗なだけだが、まだきらめく水も見える。
「海って憧れるなぁ……お台場も奇麗だったけど、横浜はやっぱり一味違うね」
「ああ、歴史と最先端が上手く混ざり合ってるよな、東京の人も横浜には観光に来るくらいでさ」
「そうなんだ……素敵だもんね……」
 そう言いながら頭を預けて来る……雄介はその顔を上げさせて唇を重ねて行った……。

「今日はどこへ連れて行ってくれるの?」
「まずは食事だね」
「ここから近い?」
「船に乗らないと行けない」
「え? 船に乗るの?」
「シーバスってやつ、あそこを走ってるのがそう」
「わぁ、船に乗ってレストランへ?」
「そう、海を見ながらね」
「素敵! さすがお兄ちゃん……心配になっちゃうな」
「どうして?」
「カッコいいし、頭いいし、デートプランまで完璧なんだもん……」
「完璧じゃない方が良い?」
「……やっぱ完璧が良い」
「ははは、大丈夫だよ、少なくとも今は麻衣しか見えてないから」

「綺麗……」
 レストランがある出島、商業施設がまとまっていて中央の広場の真ん中には大きなクリスマスツリー、もちろん無数のLEDで飾られて輝いている。
「スキー場にだってこれくらいのはあるだろう?」
 実際、白馬はスキーリゾート、クリスマスともなればゲレンデには天然の大木を飾り付けたツリーは登場する。
「でもやっぱり違うよ」
 それはわかる、ここ横浜ではいたるところがイルミネーションで飾られている、その中でひときわ目立つには通り一遍の飾り付けではだめだ、どこのツリーもプロが趣向を凝らした飾り付けがなされている。
 麻衣にこれを見せてやって良かったと思う、しかし、雄介にとって麻衣は地に根を張った本物の木だ、クリスマスのイルミネーションも麻衣の瞳に写ったものを見るほうが美しいと思う。
 二人でディナーを楽しみ、ほかにもいくつかのツリーを見たあと、二人は港が見えるホテルの一室に落ち着いた。


「港の夜景、綺麗だな」
「う……うん……」
「麻衣と一緒に見られて嬉しいよ」
「あ……あたしも……ああ……」
 麻衣は窓枠に着いた腕を懸命に突っ張っている、背後には雄介、証明を落とし、カーテンを開け放した窓から夜景を見ながらピストンを受けているのだ。
「あああ……凄い……こんなに……」
 麻衣のひざがガクガクと震えているのにはわけがある、今日初めて雄介と生で繋がっているのだ。
 麻衣は普段からも細かに生理を記録している、雄介に抱かれる時のために、そして幸運なことに生理は昨日終わったばかり、今夜は何の憂いもなく雄介の精を直接受け止めることができるのだ。
「も……もうだめ」
「俺もだ」
 雄介はそう言うと麻衣の胸を背後から掴んで、上半身をしっかりと抱きしめながら麻衣に最後のピストンを叩き込んだ。
「はぁ……はぁ……」
 麻衣の息遣いが荒い、雄介は射精の余韻が収まるのを待って麻衣の顔を横に向けさせた。
「ん…………」
 唇が重なると、麻衣の膣から雄介の精が流れ出した……。
 
 
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「はぁ……はぁ……はぁ……」
 ベッドの上、正常位で交わり、二人、余韻に浸っている。
 精子を直接注ぎ込む、直接受け止める……それは極薄のゴム一枚の違いではなかった。
 確かに妊娠の心配がない安全日、しかしそれは本来紛れもない生殖行為だ。
 それが実を結ばないことはわかっていても、雄介は麻衣に種を撒き、麻衣は種を受け取った、しばらくの間、麻衣は雄介の種を体内に留めたまま暮らすことになる。
 そのことは二人を燃え上がらせた、薄いゴムが法律や慣習の象徴だとすれば、今夜二人は邪魔するものを排して愛し合うことができたのだ。

「麻衣……」
「お兄ちゃん……」
「もう一度」
「うん、何度でも……」
 二人は翌日の観光をパスして、丸々一日抱き合った……。


 三日目の昼前、雄介と麻衣は新宿駅のハンバーガーショップにいた。
 午後からは講習がある、早めの昼食を摂って戻らなければならないのだ。
 麻衣はもう少し遊んでいけるのだが、雄介抜きで遊ぶ気もしないらしい、30分後の列車で長野へ戻る。
「そうそう、麻衣にプレゼントがあるんだ」
「え? ホント?」
「たいしたものじゃないよ、そんなに期待するなよ」
「ううん、お兄ちゃんから貰うものなら何でも嬉しい」
「開けてみる?」
「うん、いいの?……わ、奇麗ね」
 みなとみらいの街並みを再現したスノーボールだ。
「ここでデートしたなんて夢みたい」
「まあ、妹にアクセサリーとか言うのも不自然だしな、それなら自分で買ったと言っても不自然じゃないだろう?」
 その言葉に麻衣は黙り込んでしまった。
「どうした?」
「……やっぱり兄妹なんだね……」
 雄介もその言葉にどきりとした。
「この二日間、あたし、兄妹だって忘れてた……でもやっぱりそうなんだね……」
「麻衣……」
「お兄ちゃんを責めてるんじゃないよ、凄く楽しかったし、夢のようだった……このスノーボールも奇麗……だけど……」
「すまなかったな……」
「謝ることなんかないの……それが現実なんだから……」
「少なくともこの二日間は恋人だと思ってたよ……」
「うん……そう思ってくれてるって感じてた……だから余計に……」
 麻衣の瞳から涙がこぼれ、雄介はかける言葉を失った。

「ごめんね、泣いたりして……これ、部屋に飾って大事にするから……」

 ホームまで見送ったが、麻衣の後姿は寂しそうで雄介も胸が締め付けられるようだった……。

 


渡れない岸辺の最初へ 渡れない岸辺 18 渡れない岸辺 20 渡れない岸辺の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前