投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

天国に一番近い地獄
【学園物 官能小説】

天国に一番近い地獄の最初へ 天国に一番近い地獄 4 天国に一番近い地獄 6 天国に一番近い地獄の最後へ

初等部の教室は幼蜜の薫り-2

 そんな退屈な毎日だったが智は学園に行きたくないと思ったことはなかった。その理由は、中等部で担任を持っている星野 陽子。大人っぽく色気があるのだがとても清楚な感じのする女性だった。
 智が新任として赴任した当時、中等部の教員室で隣にいたのが陽子だった。学力こそ高いが、学校という職場に関してはわからないことだらけだった智に、陽子はあれこれと教え手を差し伸べてくれた。そんな経緯もあり、智はいつしか陽子に心引かれていた。いや、はっきり言うと彼女に一目ぼれしていた。女性に優しくされたことなど、彼の人生の中ではない出来事だった。女に対する免疫がない、といってしまえばそれまでだが、陽子は智の中でいつしか理想の女性として神格化されていた。
 陽子に会うこと。会って会話をすること。それだけが目当てで学園に来ていると言っても過言ではなかったのだが、初等部の担任になって以来、職員室も別になり疎遠にならざるを得なかった。


 教室の引き戸を開ける。30名の小学5年生がいっせいにこちらを振り向く。騒がしく甲高い少女達の「先生、ごきげんよー」という声と、慌てて着席する音が教室中に響きわたる。30匹の子猫の群れを見たことはないが、恐らくこんな感じなのだろうといつも智は思う。
 中等部や高等部の教室は、汗や制汗剤、ヘアスプレーなどの匂いが混じりむせかえりそうになる。初等部はそれとはまったく違う匂いだ。子どもの匂いと女の匂いが混じりあった独特な匂いがする。
機械的に出席をとり、たんたんとHRを終わらせる。智はそんな無愛想な教師ではあったがなぜか児童には人気と信頼があった。
「はぁ、小学生にもててもなー」
廊下に出ると、大きな溜め息とともに愚痴がこぼれる。
「どうかしました、稲葉先生?」
「あ、星野先生。いや、何でもないんですよ別に。独り言です。あははは」
 突然後ろから声をかけられ、異様に慌てて弁解する智。
「ならいいですけど。でも、ため息つくと幸せが逃げて行っちゃいますよ」
 クスクスと可笑しそうに笑いながら、陽子は廊下を歩き去っていく。タイトスカートに包まれた形のいいヒップを見送りながら、この幸せがあるから辞められないんだよな、と智は自分を納得させた。

 一時間目、二時間目、たんたんと授業が進んでいく。教師になってもやはり授業は退屈だった。いつものように授業も終わりHRを済ませ4時ごろには児童達はほとんど下校してしまう。中等部や高等部の校舎は、各種講座や部活動などが行なわれておりまだ賑やかだが、初等部は完全下校時間が決められており校舎は一気に静かになる。


 時間は5時回ったところ。他の校舎の喧騒を遠くに聞きながら、智は担任をしているクラスの教室へと向かう。清掃状態の確認と忘れ物のチェックのためだ。初等部クラスの担任の日課のひとつだが、児童たちはまじめでしっかりしているので、監督などいなくてもきちんと清掃をするし、教室への忘れ物など皆無だった。

「はーめんどくせーなー。ったく」
 小声で愚痴をこぼしながら教室のドアの前に立つ。と、何か教室の中から人の気配がする。こんな時間に一体誰かいるのか、いぶかりながら教室のドアを開けると、小柄な児童が机に突っ伏している。
「あれ、井岡じゃないか? こんな時間までどうしたんだ? 残留届け出してないだろ? 早く帰らないとお母さんが心配するぞ。」
 座席の位置と小柄な背中で井岡 歩だとわかる。
 身長順に並ぶと前から2番目。4年生ぐらいの体格であったがかなり目を引く美少女だ。初等部でも一、二を争うほどといっても過言ではない。少女趣味ではない智でも心惹かれるものがあり、高校生くらいになったらかわいがってやってもいいな、などと勝手な妄想を抱いていた。


 歩は智に気がつき顔を上げる。その顔は何か濡れているように見える。
「どうしたんだ?井岡。泣いてるのか?」
 驚いて智は足早に歩に近づく。すると突然、歩は立ち上がり智に抱きついてきた。包み込むように小さなカラダを抱きとめる智。この学校に赴任して初めての出来事だ。
「先生、私。私・・・。」
 顔を上げた歩のほほは涙で濡れている。長いこと泣きはらしたのだろう、瞳が真っ赤に潤んでいる。それでもあどけなさの中に美しさを湛えている。歩の目がジッと智の事を見あげる。柔らかい少女のカラダ、普段は意識したことのない児童特有の甘ったるい体臭を感じ、智は自分の下半身の一点に急速に血流が注ぎ込まれ始めることに動揺した。


天国に一番近い地獄の最初へ 天国に一番近い地獄 4 天国に一番近い地獄 6 天国に一番近い地獄の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前