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天国に一番近い地獄
【学園物 官能小説】

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発見、あの女だ!-2

 2週間前、大輔は祖父の7回忌法要のため上京してはじめて福岡の親元へ帰った。しかし、夜も8時過ぎると人っ子一人いなくなる実家に耐え兼ねて、夜な夜な、天神界隈を遊びまわっていた。東京へもどる前日の晩、高校時代の悪友がバーテンをやってるクラブに行ったとき出会ったのが彼女だった。

「おい、大輔。おまえ、溜まっとらんか?」
「なんてこと聞くっちゃん。まぁ、東京でけっこうよろしゅうやっとーじぇ」
「ふーん。溜まっとーならよかこと教えてやろうて思うたとに」
「なんばい、気になるやんか」
「知りたかか?」
「まぁな」
 悪友は顔ば近づけてきて、
「あそこん隅で飲みよー女いるやろ。あいつ、一月に1,2回来るっちゃばってん、好き者なんやじぇ」
 彼はカウンターの中で握りこぶしを作り、中指と薬指の間から親指を突きだして見せた。今時古いタイプの指サインだなと大輔は苦笑する。
「マジかよ?」
「何人か、彼女ん相手ばしてん奴がおるっちゃばってん、スゲェんだって」
「スゲェってなにが?」
「淫乱っていうんか、あげん澄ました顔ばしてんのスゲーらしいじぇ。それに、テクも抜群だって」
 大輔はそっとカウンターの隅にいる女を見た。シックな薄紫のスーツ姿の髪の長い女性で、年のころは26,7ってところに見える。水商売系ではなくOL風だ。しかし、友人がいうようなタイプには見えない。

「からかうんな、やめれや・・・」
「マジだって」
「引っ掛けようったって、そうはいかんぞ」
「すらごとじゃねぇばい。前回、俺がお相手したんやけん」
「じゃ、なんで俺にふるっちゃん。今夜もおまえがすりゃよかやんか」
「それがしゃ・・・」
 彼の話によると、朝まで延々とやり続けて最期には彼の方がギブアップするはめになったと言うのだ。
「俺は、お眼鏡に適わんかってんわけ・・・。どうだい、大輔。東京で鍛えてきた業物でチャレンジしてみれば」
 ボックスの客に呼ばれて友人が行ってしまったので、その話はそれっきりになったが、大輔は女が気になってしかたがなかった。


 10時をまわったころ、女が勘定を済ませ店の外へ出た。大輔も誘いだされるようにあとを追った。女は帰るでもなく、どこへ行くでもなく、天神の町をフラフラとさまよう。確かに、ナンパされるのを待っているようでもある。店を出がけに意味あり気に笑った悪友の顔も気になった。
「どう見ても、淫乱って感じじゃねぇしなぁ・・・」
 5分ほど後をつけたところで、不意に女が向きを変えてこちらに向かってくる。慌ててはつけていたことがばれる。素知らぬふりを装ってすれ違おうとした瞬間、女が大輔の腕をつかんだ。
「あなた、あの店にいた人ね。私をつけてきたんでしょ?」
「え、いや、あの・・・」
「バーテンの子とコソコソ話してたもの・・・。私のこと聞いたんでしょ? それであとをつけてきたのね」
 女の胸が大輔の右腕に押し付けられる。あまい香水の香りが鼻孔をくすぐる。女の身長は、大輔の肩ほどしかない。下から覗き込むようにしたその瞳には妖艶な光が漂っている。大輔が言いよどんでいると、
「可愛いのね。あなたを食べてみたくなったわ・・・。さぁ、いっしょにいらっしゃい」
と、腕をつかんだまま歩きだした。
 女は熟知したように裏路地を歩き、大輔が考えるひまなく1件のラブホの部屋にたどり着いていた。


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