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Queen Celes
【二次創作 官能小説】

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Requiem〜後編〜-9


────予想通り、宿屋にはセリスやセッツァー以外の客はいなかった。

ただ宿屋自体老朽化のせいもあって、
一部使えなくなったり整備途上の為立ち入り禁止になっている部屋があり、
2人部屋は空いておらず、廊下を挟んで斜め前に向かい合う個室を2つ割り当てられることになった。

内心軽い失望を覚えたセリスだが、そんな気持ちをおくびにも出さず宿帳への記入───もちろん偽名だが───を済ませ、部屋の鍵を受け取った。













──────宿屋で荷物を置いた後、そのままの足で墓地の方に向かう。
道すがら通った村の花屋で薔薇の花を買い求め、花束に包んでもらった。










《レイチェルよ、永遠に 享年16歳》

と書かれた墓は、誰かが手入れしてくれているのか、雑草も殆ど生えてはいない。


レイチェルという文字が目に入った時、セリスの耳の奥から一時復活したレイチェル自身がロックに向けて残した二つの言葉が微かに甦ってきた。


『貴方の心を縛っている、その鎖をを断ち切ってください』

『貴方の心の中の、その人を愛してあげて─────』






墓前に花屋で買い求めた花束を供え、片膝をつき瞑想しながら亡きレイチェルに向かって心の中で語りかけるセリス。



(・・・・・・・・お久しぶりです、レイチェルさん。世界を救ってから、漸くここに足を運ぶことができました。


今私は何とか幸せだと、思えるようになりました。



でも・・・・貴女が最後に望んだような形にならなかったことだけが、私にとっては唯一の心残りなんです。



ごめんなさい・・・そして、どうぞ安らかに)






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