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Queen Celes
【二次創作 官能小説】

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Requiem〜前編〜-5

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────それから40分後、




────ヒュン、ヒュン、ヒュン、ヒュン・・・・



身支度を終えたセリスを乗せ、
ファルコン号はエンジン音をかき消すくらいのプロペラ音を響かせながら、
フワリと浮き上がり、ぐんぐんと上昇していく。

みるみる小さくなっていくフィガロ城を横目に見ながら、セリスは操舵室にいた。
城を出るまで身に付けていた王妃用のドレスではなく、金髪を頭の後ろでまとめあげた上での身軽な服装────青いチューブトップに黄色い生地で編まれたパンツルック風の戦闘服に革のブーツ、護身用の長剣という普段お忍び用の出で立ち。

屋外の時間が多く、ましてや公務でもないため、化粧は抑えめに最小限で済ませていたのだが。



「・・・・しかし、こうしてセリスを間近で見るのも数年ぶりになるが、
今まで一番綺麗だぜ。化粧もいい感じ、大人の女になったということか」



「ありがとう、お世辞かもしれないけどありがたく受け取っておくか」



セリスの傍らで舵を巧みに操る”戦友“の言葉に、セリスは内心まんざらではなかった。



”戦友“。そう、この飛空艇の船長であり、白髪も混じり始めた銀髪をたなびかせ咥えタバコが様になっている紫煙漂うギャンブラー、全身傷だらけの男、“セッツァー・ギャッビアーニ“────


ガストラ帝国健在の時代には、賭けと大空を生きがいとする自由な男。かつては空飛ぶカジノも兼ねた飛空艇ブラックジャックのオーナー。
何よりも賭け事と女性を愛し、
オペラ歌手のマリアに惚れてオペラ座に彼女の誘拐予告状を送りつけたところ帝国本土への移動手段を探すセリス達と出会う。

マリアの身代わりとして変装して船に潜り込んだ形のセリスらに帝国本土へ乗り込むため飛空艇での協力を頼まれる最初はつっぱね、次はセリスが俺の女になるなら手を貸すと提案し、結局は賭けに負けてしまい、それからはセリス達とともに世界崩壊までの混乱を共に戦うことになる。


この時セリスが「コインを投げて表が出たら、自分達に協力し帝国へと運ぶ、裏が出たならば自分がセッツァーの女になる」という賭けを持ちかけ、両面表のコインを使いセッツァーを感心させたエピソードは、
当のセリスにとっても、若気の至り・咄嗟の度胸とはいえ、忘れられない思い出となっている。


あの頃から少なくとも5年は経過した。
初々しかったセリスも肢体から立ち振舞い、更には雰囲気まですっかり大人びたものだが、
久しぶりの再会となる8歳年上のセッツァーも銀髪に白髪も混じり始めた初老寸前という立ち位置にいた。

もっとも彼の体つきや雰囲気は以前よりもどっしりとした風格を醸し出しており、すっかり百戦錬磨のギャンブラーぶりが板についていた。


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