投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Queen Celes
【二次創作 官能小説】

Queen Celesの最初へ Queen Celes 87 Queen Celes 89 Queen Celesの最後へ

Requiem〜前編〜-15


暫しの時間が過ぎた。


無言のままでセリスの肩まで垂れ下がった金髪に唇を押し付けるように、セッツァーがゆっくりとした口調で静かに言葉を紡ぎはじめた。




「・・・今日飛空艇に戻ってきてから、何故かお前が俺を避けていたのは気づいていた。・・・・・いや、今更そんなことを深く問うことはしない」



「・・・・・・」



「ただ、それだけで・・・・・そんな変化だけで、俺の中では気になって仕方なかったのだ。お前のことで頭が一杯だった。マリアでもダリルでもない。いや、俺が知る全ての女のことが思い浮かばなくなるくらいに・・・」



「・・・・・・・」






「今のお前には、昔にはなかった女の匂いが・・・・・・今のセリスが昔オペラ座にいたのなら、その時は一切の弁明を許さず容赦なくお前を奪っていた。いや、今でもエドガーの野郎から奪ってしまいたいくらいだ・・・・」



「・・・・・・」




「こうして俺の部屋に来てくれたお前を・・・・俺は、俺は・・・・・」



女性を口説く時のエドガーを彷彿させるようなセッツァーの情熱的な告白を、
セリスは身じろぎすることも返答することもできず黙って聞いていた。


エドガーだけではない。
セリスが身体を重ねてきた男達が発してきた言葉。
背後に立つセッツァーの瞳は見えなくても、
その言葉の節々に欲望の火種が見え隠れしている。



深夜無防備同然のスリップ姿で部屋に忍んできた行為がセッツァーにとって決定的だったようだ。これだけでも相手の存在を受け入れたも同然だと言われても仕方なかった。


もっともセリス自身セッツァーを受け入れる“最後の一歩”を残すのみの心境だった。


(今自分達が何の為に世界を回っているのか忘れてない?なら、こんなことをしてる私達って不謹慎もいいところよ─────)


耳の奥底に微かに残る良心の声も、どこか遠くの方から聞こえてくるかのようにセリスには思えた。


Queen Celesの最初へ Queen Celes 87 Queen Celes 89 Queen Celesの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前