私の一言が変えてしまった-1
ポレプロピリン…… ポレプロピリン……
スマホから異様な信号音が響いた。地域が配信する「このへん注意報」が入っていた。さっそく開いてみた。
【露出事件発生！】
本日(○日)午後○時○分ごろ、黒猫台一丁目の商業施設近くにおいて、男性が女子生徒に下半身を露出する事件が発生。
男性は20〜30歳代。デニムのズボンに白い無地のトレーナー着用とのこと。
付近の住民は注意してください！
こんな情報を見ると、私の心の中には その事件のようすが勝手に人物を設定して、再現ドラマになって描き出される。
黒猫台のスーパーの近くで、ランドセルを背負って歩く女の子。それは小学生の私。
その前に現れた男が、デニムの「ズボン」と「パンツ」とを脱いで、「ベローン」と、毛にまみれたチンチンをむき出しにする。
(え、ええッ……)
私が金縛りにあったように動けずにいると、チンチンは興奮してむくむくと固くアタマをもたげてくる……。
─━─
その日の夕方。
「今日ね、ネコマタスーパーの近くで、男の人が女の子にチンチン見せる事件があったんだって。」
「へぇ……すぐそこであった話だね……」
私はお風呂の湯船の中で、パパにその事件をお話していた。
「みほ子も……」パパが言った。「……気をつけてよ。みほ子は可愛いから、エッチな男に狙われそうだからな……」
「わかったー。」
私はパパに抱きついて、チンチンを軽くつかんだ。
これが今日、私が再現ドラマに使ったチンチン。
別にパパが、女の子にチンチン見せてコーフンする人だからってワケじゃない。
エッチな画像や動画で、私が修正の向こうに思い浮かべるのは、いつもパパのチンチン。
だって、私がホンモノを知ってるチンチンは、パパのモノしかないんだもの。
見かけのカタチだけじゃない。顔を近づけた時に感じるニオイも、なでているうちに固くなってくる感触も、……チンチンに限らない。
私の脳の中の「男の身体」の資料データはすべてパパのモノなんだ。