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私立花乃森女学院 〜 目覚めの時
【同性愛♀ 官能小説】

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縛られて-1

 後ろ手に縛られ、ベンチの上にうつ伏せになっている凛花が由衣に訊いた。
 「本当にこれで返してくれるの?」
 「ええ。私が約束を破ったことがある?」
 「…無いわ。」
 「ウソをついたことがある?」
 「それも…無いわ。」
 「でしょ?」
 吹奏楽部の部室になっている、小合奏室の一つ。部室は幾つかあるが、ここはクラリネット専用だ。
 中央には背もたれの無い平らなベンチが二つ置いてあり、凛花が今乗っているのはそのうちの一つだ。
 楽器の用意や片付けなどをするときに座る為のもので、幅六十センチ、長さ百八十センチ、高さはおよそ四十センチ。
 表面には合皮が貼ってあり、水を弾くようになっている。
 「動かないでよ。」
 「動けないわよ。」
 由衣が凛花のスカートの中に手を入れた。
 「ど、どうしてもやるの?」
 いつも冷静な凛花には珍しく、声が上ずっている。
 「どうしようかなあ。やめてもいいけど。」
 少しだけ明るくしたショートヘアを掻き上げて、由衣が答えた。
 「その場合、早霧先輩は私がいただくわよ。いいの?」
 「…。」
 凛花は答えられない。
 「どうなの?」
 重ねて問われ、呻くように凛花は言った。
 「…して。あなたの好きなように。私をどうにでもしていいわ。」
 「そんなに好きなんだ。あなたを裏切ろうとしているのに。」
 「運命…だから。」
 由衣が、ハッ、と息を吐いた。
 「何でもそれね。運命って言えば許されると思ってるわけ?あの時だってあなたたちは…。」
 「由衣?」
 「…なんてね。いいの。あの件はもう決着済み。だけどチャンスが回ってきた、というわけ。でも、今更なのよねー。まさか早霧先輩の方からこんなものを渡してくるなんて。」
 ジャラッ。
 シルバーのチェーンとそれに繋がれたシルバーのロケットだ。目の前に乱暴に投げ出されたそれを、凛花は寂しそうに見つめた。
 「さあ、おしゃべりはおしまい。覚悟はいい?」
 「いいわ。好きにして。」
 凛花は小さくうなずき、呟くように答えた。その唇は震えている。
 由衣が再び凛花のスカートの中に手を入れた。凛花が身を固くする。
 由衣の手がスカートの中からゆっくりと出てきた。その手には、深いブルーのパンティが握られている。
 「いい色ね。デザインもシンプル。あなたらしいわ。とても似合ってる。」
 足首から抜き取ったそれを、由衣は部屋の隅に投げ捨てた。
 「あ!」
 「後で拾えばいいわ。全部終わってから、ね。全部。」
 凛花は口をキュっと結び、悔しそうに由衣を睨んだ。
 「恨むんなら早霧先輩をどうぞ。さあ、膝を立てなさい。」
 ベンチの上でもがく凛花。しかし、なかなかうまくいかない。
 「しょうがないわねえ。」
 「だって、手を後ろで縛られてるのよ?」
 「手順を踏めば意外と簡単なの。いい、まず、体全体を左に傾けながら、右足だけ膝を九十度に曲げて膝立ちの体勢になる。」
 「こう?」
 「そう。そして体の向きを戻しながら勢いをつけて左膝も曲げる。」
 言われた通りにする凛花。
 「あ、出来た!さすがセカンドのリーダーね。教えるのがうまい。」
 「てへ、それほどでも…なんて言ってあげない。ふざけてる余裕なんて無いわよ、凛花。」
 由衣はいつの間にか用意した赤いベルクロの紐で、凛花の右足のふくらはぎの部分をグルグル巻きにした。白く柔らかなその肌は、みるみる紫に染まっていく。
 「面白いオモチャ持ってるじゃない、由衣。」
 彼女の使っているベルクロは登山用具メーカーが発売しているもので、抜群の強度と接着力を持つ。ロープで縛るより早く、より強力に固定できるのだ。
 「アニキの部屋からくすねてきたの。登山用の大量かつ重量のある荷物をしっかりまとめて動かなくするだけのパワーを持ったものだから、逃げようとしてもムダよ。」
 由衣はベルクロの反対側をベンチの下をくぐらせて、凛花の左足のふくらはぎを同様にグルグル巻きにした。
 「これであなたは足を閉じることが出来ない。」
 「どっちみち閉じさせてはくれないんでしょ。」
 「まあねー。」
 次に由衣は、凛花の首にベルクロをひと巻きした。もちろん、首が締まらないように緩くだ。
 そして足を固定したのと同じようにベンチの下をくぐらせて動けなくした。
 「…というわけで。あなたは足を閉じられないし、上半身を動かすことも出来ない。」
 「く…」
 凛花は両膝を開いた状態でベンチに縛り付けられ、上半身は顔を擦り付けるようにうつ伏せで固定され、手は背中で縛られている。
 凛花は今、後ろ手に縛られたカエルの様な無様な姿を晒しているのだ。
 「いよいよお待ちかねの時間よ。さあ、いつも冷静で優秀な東城凛花さんのその部分はどうなってるのかなー。」
 由衣の両手が凛花のスカートの裾を掴んだ。
 「いくわよー。」
 「…さっさとやりなさいよ。」
 「さっさとやりまーす。」
 言葉とは裏腹に、由衣はゆっくりゆっくりとスカートを捲り上げていった。その時間が長ければ長いほど、凛花の恥じらいと恐怖が長引き、高まると知ってのことだ。
 ジワリ、ジワリ…。
 凛花は由衣の目論見通り、身を震わせて恥ずかしさと恐怖に耐えている。
 ジワリ…。
 逃げることの出来ない凜花のスカートを捲る手が、忌々しいほどゆっくりと動き、何をされるかわからない恐怖をよりいっそう煽り立てた。
 ジワ…。
 太腿の裏側のほとんどの部分が露出し、あと数ミリで凛花のとても敏感な肉の芽が見えてしまう所まで来た。


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