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「悪魔の少年」
【ショタ 官能小説】

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P麻紀子と対決-1

P麻紀子と対決



麻紀子は夫の弁護士から慰謝料の請求を受けた。いよいよ夫が離婚に向けて動き出したのだ。
金融業者として何度も裁判所に通いその裏表を知り尽くした夫が今まで離婚を待ったのは充分な根回しが出来て
いなかった
からだろう。逆に言えば完全に下工作が完成したという事になる。
送付状には浮気相手が死亡したので麻紀子に慰謝料を請求する旨と金額300万円が記入されている。
麻紀子は独身時代の権藤の事を思い出していた。麻紀子の前に現れた時は銀行員だと言うふれこみだった。
100万円もするバッグやジュエリーを無造作に買ってくれた。
彼が闇金融で稼ぎまくっていると知った時は完全に深みにはまった後
だった。初めて訪れた彼の自宅には段ボールに入った札束がゴロゴロしていた。
「麻紀子この札束君の家に置いてくれないか。そして毎月少しづつ定期預金に回して欲しいんだ。」
権藤が稼いだあぶく銭は一億を
超えていた。それをいくつかの銀行に分けて少しづつ裏金を表に出していったのだ。
毎月儲けた金はすべて麻紀子の元に届けられた。数百万円の事もあれば数十万円の事もあった。
そして闇金から消費者金融に変身する時に10冊くらいの預金通帳と印鑑とカードは全て権藤が持ち出した。。
その頃にはもう翔太も生まれておりヘソクリの積りで1冊の通帳とカードだけは渡さなかった。
残高は1000万円位だったが、今では
1500万円ぐらいに増えている。預金名義は夫のままで印鑑も夫が持っている。
毎月の光熱費や水道代はこの口座から落ちるため頻繁に出し入れがなされている。
権藤は金融会社を立ち上げ軌道に乗った頃を見計らって麻紀子の籍を入れた。
夫婦になってから得た利益は夫婦で折半が原則だ。早速知人に紹介された法律事務所を訪ねた。
そして自分の希望を訴えた。
・不倫は久永の脅迫によってスタートした事なので慰謝料を減額してもらう。
夫も現在会社の経理部の満里奈と言う女と同棲中なのでこちらからも慰謝料を請求する事。
・息子の親権は女親の自分が持つべきだ。
・夫の資産は約3億程ある筈だ。その内1億は同棲中、1億は結婚後に稼いだものだ。同棲中の内縁関係を認めさせること。
・この家も頭金の1000万円は夫の金だったが残りの4000万円は同棲後に支払ったものだ。
「これらを認めてくれるなら離婚に応じてもよい。」と答えた。
そして1か月後に出た調査結果は惨憺たるものであった。
「今現在権藤が住んでいるのは賃貸の高級マンションではあるが会社の社宅として二部屋が契約されています。
その一部屋に社長の権藤が住み、もう一部屋には経理部の長谷川満里奈が住んでいます。
深夜に二人でマンションにはいる姿が写真に撮られていますがこれは不倫の証拠にはなりません。
それと驚いたことに権藤氏個人の資産はゼロなんです。何らかのトリックがあるとは思うのですが見破れません。
昨年国税局の調査部が乗り込んだのですが尻尾は捕まえられなかった様です。
権藤という男思ったより狡猾で黒いキャリアを積んでいるようですね。
自宅も二重抵当に入っており遺留分はほとんど残っていません。」
「それじゃ離婚できません。なんて男なの。夫が膨大な資産を隠し持っているのは分かっているのです。
ずっと私が管理していたから
絶対に間違いありません。これじゃ一文無しで叩きだされるのと同じじゃないですか。納得できません。」
「そうなると調停になりそれでも解決できない場合は裁判で戦う事になります。
その場合に弁護士として最もつらい事はこの裁判が
妻の不倫によって始まったという事実です。」「あれは不倫ではありません。男の脅迫です。」
「私もそう思います。でもそれを裁判官や陪審員に納得させるには奥様から説明して頂かなければならないんです。」
「いやですよ。浮気妻として陪審員や傍聴人に顔を晒し、ぶしつけな質問にも答えなければならないんでしょ。」
「なら何とかして示談でかたをを付けるしかありませんね。もう少しいい条件を引き出してみましょう。また連絡します。」
こうなると頼りはヘソクリの積りで隠し持っていた預金だけが頼りだ。万一バレた時の為に母の口座に移しておこう。」


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