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「悪魔の少年」
【ショタ 官能小説】

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H久永の経歴-1

H久永の経歴


先日さぼった5時間目の数学のビデオを見ながら集中していた時、刑事の訪問を受けた。
以前多摩川警部と一緒に来ていた若い刑事だ。
「君、先日権藤さんの留守中にお宅に入っただろう?」
内心ぎくりとしたが「うん。翔太に帰ってくるまで待つように言われていたんだ。鍵も貸してくれたよ。」
「確かに鍵を使って入ったよね。でも帰ってくるまで待たなかった。」
「一時間ほど待ったんだけど帰ってこなかったんで諦めたんだ。」
そんなことがあって刑事が張り込んでいるのを知った。当分は訪問を控える事にした。
多摩川警部は久永が死んで一番利益が出るのは誰かを考えていた。
大手スーパー誘致に反対する松本とその仲間たち。商店街にもう一軒ある本屋。
しかしそれも殺人を犯すほどの大きな利益ではない。
やはり怨恨だろう。彼を殺したいほど恨んでいた奴が必ずいるはずだ。
その一人が麻紀子だ。供述によると彼に強請られていたらしい。
そんな久永はかなりの悪で他にも悪事を働いていた可能性が高い。
ただ天涯孤独で身内は居ない。遺体も警察で処理した。
ここで本屋を開業したのは二年前でそれまでの足取りがつかめない。
念のため本庁の情報管理本部にも足を運んでみたが犯罪者名簿に彼の名前はない。
付き合っていた牧村直美に会いに行った。ちょうど客のカット中で30分ほど待たされたが快く話してくれた。
「牧村さん。その節は変な疑いをかけてすみませんでした。」
「いえもう済んだことですから気になさらないで下さい。今日は何の用ですか。」
「死んだ久永氏の事何でもいいんです。知っている事を教えて欲しいんです。」
「あの人過去の事は話したがらなかったわ。学校や家族の事も絶対に喋らなかったもの。
結婚する相手なら問いただしたと思うけれど不倫相手だからね。そんな事はどっちでもよかったのよ。
少し酔った時にここに来るまでは長野県の本屋で修業したと言っていたわ。」
「なんていう本屋か話してなかったですか。」
「お店の名前は聞いてないわ。ただお店から松本城がよく見えたと話していました。」
その後も来客が無かったのでゆっくりといろんな話を聞いたがそれ以外にはめぼしい情報は得られなかった。
さっそく長野県警に捜査を依頼した。そして30分もしない内に返事が返ってきた。
「該当する本屋は約20軒、可能性のある本屋は約30軒がヒットした。いま順番に電話を掛けている。
店主不在や休業の店もあるので明日になるかもしれない。」という事だった。
翌日夕方長野県警の浜田警部補から電話が入った。
「結論から言うと久永光輝という人物はいなかったんですがそれらしい人物を見つけました。
名前は岡田信二(当時23歳)。務めていた本屋の金庫から社員の給料や支払予定の金をごっそり
持ち逃げした奴がいる。まだ捕まっていない。こちらには顔写真が無いので確認のため送って呉れないか。」
「多分そいつだろう。今25歳だから2年前23歳で年齢も合うよ。パソコンを見て下さい。」
「鮮明な写真が届いたよ。さっそく本屋の主人に見てもらうよ。後でまた連絡します。」
「早急の調査ありがとうございます。殺人事件なもんで協力をお願いしました。」

「多摩川さん、大当たりです。あの顔写真は岡田信二に間違いありません。
顔写真を見て思い出したのか本屋の店主は怒り狂ってました。
盗まれた500万円取り返しに行くってえらい剣幕でしたよ。」
「実はこの男先日殺されてまだ犯人が捕まっていないのです。
調査の段階で経歴に疑問を持ち調べていたんです。
彼の情報が分かる物、例えば履歴書のようなものは無いですか?」
「履歴書は本籍も出身校もすべて出鱈目でした。
いちいち調べませんからね。念のためそちらに送っておきました。」
多摩川は岡田信二の履歴書を何度も読み直していた。
なるほど出鱈目だらけだ。しかし年齢は真実だ。
他にもつい真実を記入してしまった箇所がないか探しているのだ。


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