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俺は他人棒
【熟女/人妻 官能小説】

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立花文恵(34)-8

 即日すぐさま実行とはならなかった。
 文恵と悟さんはそれでも構わないという口ぶりだったが、俺のほうで時間を貰ったのだ。
「ラブラブのご主人が同席となると、俺も生半可な覚悟じゃ出来ないです。文恵さん抱くために、たっぷり気力体力蓄えた上で挑もうと思うんで、今週末か来週で都合つく日に……」
 俺はそう進言した。
「きゃー。どうしよ……すっごい意気込んでるぅ」
 ほろ酔い加減の文恵は、悟さんにしなだれかかってはしゃいでいた。
「そこまで気合入れて貰えるなんて、頭が下がります。そうですね、今週土曜は仕事が入ってまして、その夜から日曜なら空いています。文恵も、いいよな?」
「生理も済んでるから、大丈夫だよ」
 土曜の晩から翌日まで文恵を夜通しハメ倒すということで話がまとまり、俺は立花家を辞去した。
 程良く酒が入ってフワフワする足取りは、やっぱり現実の地面を踏んでいる気がしなかった。
 ──夢じゃないよな。
 試しにすぐ側にあった電柱に頭突きしてみたら、めちゃ痛かった。

 これまで人妻と火遊びをするにあたって、ここまで入念に体調を整えたことがあったろうか。
 セックスに専念すべく備えておくのが相手への礼儀と思っているので、いつでもそれなりに淫欲チャージと言うか、満足のいくプレイが出来るだけの体力は蓄えて挑んでいるのだが、今回はレベルが違う。
 文恵のエロボディに対する欲望もさることながら、その賞味を夫の前で行うという異例のシチュエーションである。これが燃え上がらない訳がなかった。
 他の人妻とのデート予定を一切入れず、オナ禁はもちろんのこと、食事もネバネバ系やタンパク質豊富な鶏肉、豆腐などを摂るよう気を遣った。
 もともと精力旺盛な性質なので、さらに強化されたぶん朝勃ちなどがヤバいくらいだった。バイト中にも我知らず半勃ちになっていたりと、タンクが満タン通り越して溢れそうな状態。全身の毛穴からザーメン臭が噴出しているんじゃないかと心配になるほどだった。
 これは、むしろ適度に抜いておいたほうが健康かもしれない。だが、溜まりに溜まった全てを文恵にぶつける瞬間を思えば、苦しさもまた甘美な陶酔に似た不思議な感覚へと変換される。苦行に耐えて悟りを開く宗教者の心持ちって、こんなものだろうか(動機が不純すぎるが)。

 悟さん公認とはいえ、文恵とのセックスにはルールを定めておく必要があるだろう。
 そう考えて俺は、こちらから提示するものとして案を練った。
 悟さんと文恵に確認して貰い、呑めないものはそう言ってくれれば取り下げる。
 エロ方面のこととなると大真面目になってしまう俺だ。ノートパソコンでそれらしい書面を作り、プリンターは持っていないのでUSBメモリーに保存し、友人のやっているネットニュース会社を会社にお邪魔して印刷させて貰った。
 社長こと武藤は、
「面白そうなことやってんね」
 と、やや羨望の眼で俺を見た。
 結婚して子供もいる武藤からすると、好き放題に遊びまくっている俺の自由さが懐かしくも思えるのだろう。
「この経験でまた何か記事書けるかもしれないから。『妻を抱かせて性の勉強・新しい夫婦愛のカタチ』とか何とか」
「世の中には結構NTR(ネトラレ)願望とかあるみたいだし、受けるかもしれんな。気が向いたら原稿にしておいてよ」
「何ならお前の嫁さんも抱こうか?」
「ちょっ……それは勘弁だぜマジで」
 軽口を叩いて武藤のもとを後にした。
 気がつけば約束の日は、すぐ明日に迫っていた。


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