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魔へと溺れユく女タチ
【ファンタジー 官能小説】

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セイン・アルバート(前編)-7

教会での寮生活では少しだけ決まりがある。
とは言っても朝と晩のご飯時は全員一緒に取る事と、男女別の入浴時間が決められたぐらいだが。
それらの決まりはシャリィの手間を増やさないための物なので外食などをしたい人はご自由にといった感じの緩い物だ。

アレスに早速注意しようかと思ったが・・・流石に人が集まる中で注意するのはできなかった。
彼だけでなく相手の女性にも関係する事だから配慮しないと。
夜はシイナの相談に乗る必要もあるから明日以降になるか。
もしくは入浴時間に顔を合わせられ、タイミングが良ければ話そう。


今日の晩ご飯はカレー。
作り分けるのも大変なので味は全て中辛だ。
ほとんどの人は寮での食事だから仕方ないよね、といった感じで不満がないけれど一人だけ苦労してる人物がいた。

・・・リナだ。
辛いのはどうも苦手らしく水を小まめに呑みながら食事している。
なんとも子供っぽいなと思うが・・・15歳はまだ子供か。


リナは苦労しているようだが、カレーそのものはかなり美味しい。
具は程よく火が通っているし、添えられたハーブが良い味付けになっている。
食べれる葉なのでそのまま口にしてくれ、と言われたがカレーではない時でもシャリィの料理には何かしらの葉っぱが添えられる。

少しばかり苦みがあるが、それほどクセもなく食べやすい。
なんとなく活力が沸く気もしてきて、最近は体調も頗る調子が良い。
身体が弱い、というワケでもないが一週間も過ごしていたら疲れが出てきたりしても良い頃だ。
けれどオレだけでなく他の人達も体調管理はしっかり出来ているようで皆元気。
今度クラリスにも勧めよう。時間がある時にシャリィから詳しく話しを聞くのも良いかもな。



「それにしてもちょっと・・・熱いな」

「気温上がってきましたかねー。そろそろ暑くなってくる時期ですし」



隣で食べていた騎士と、そんな世間話をしながら食事を進める。
ただ暑いだけじゃなく・・・シャリィの食事は代謝が良くなる気がするな。
身体が程よく元気になっている証拠なので問題はないが。

・・・精が付く料理、って事かな彼女の料理は。
アレスじゃないけどもオレも最近は溜まって来た気がするので程よく発散したい気持ちにはなる。
勿論、シャリィに悪気があるワケじゃない。
身体を動かすのが仕事な連中ばかりなので精のつく料理やハーブを添えるのは親切心から来る物だろう。


そろそろ、クラリスとも時間をゆっくり取りたいなと思うがこんな事で泣きつくのも少し情けない。
会おうとすれば会えなくもないが…。
仕事の環境が変わり、一ヶ月間だけの仕事だからその間くらいは我慢しようと思ったが少し辛くなってきた。
だからといってアレスのように節操なくするつもりもないが。



「活力も満ちてるし、オレもたまにはしっかり訓練するか。僧兵達にでかい顔ばっかりしていられないし」

「そうですね。まさか厳しい訓練が恋しくなるなんて思いませんでしたよ」

「オレもだ」



笑いながらそんな会話をしつつ、食事を終わらせる。
最近は教えてばかりで自分達の訓練が少しばかり疎かになっていた。
せっかく元気を持て余しているなら積極的に訓練するのも悪くないだろう。

活力を持て余していたのはオレ達だけでなく、他の騎士や僧兵も同じらしく自分含めて5人ほど集まった。
その中にはアレスはいない。

こういう時にこそ活力が一番余ってそうなアイツを誘うべきだったかと思い立ったのは入浴時間のため訓練を切り上げる直前。
スケジュール管理や後輩の面倒を見るのもまだまだだなと思ったが、次に生かせるようにしよう。
慣れない仕事や環境だが悪くない経験になりそうだ。


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