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魔へと溺れユく女タチ
【ファンタジー 官能小説】

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セイン・アルバート(前編)-4

シイナ・カステヤノスは田舎から上京してきたらしく、まだ首都での生活に慣れていない。
とはいえ真面目な性格とかは短い付き合いでもなんとなく分かる。
今回の派遣メンバーの中でも特に信頼できそうな人物だが、いきなり普段の騎士らしい仕事とは別の事をさせられても困惑するだろう。



「スケジュールの組み立てとか心配なら相談してくれれば良いから。隊長ではないけど一応責任者だからそれくらいはサポートするよ」

「あ、ありがとうございます・・・!」



シイナの歳は16。
騎士になれるのが15だから騎士になってまだ1年ちょっとか。
ようやっと騎士団にも慣れてきたってかもって頃に、こんな変わった仕事を押しつけられるなんて可愛そうに。

シイナの髪は黒く、クラリスと同じ色のようだが少しばかり色合いが違う。
黒というより濃い緑色っぽいというか。
騎士として活発に動くためか肩に当たる程度までしか伸ばしていないようだし。

自分の恋人と髪の色が少し似ているからか、どうしても彼女と比べてしまう。
クラリスは年上、というのを除いても普段はお淑やかで清楚な美人系(オレに対しては積極的だけども)。
それに対しシイナは・・・慣れない環境にさらされているからか怯えている小動物みたいな雰囲気があるな。
小まめに様子を見た方が良いかもしれない。



「こんにちは〜。貴方が派遣騎士さん達の代表ですか?」

「はい、そうですけど・・・」

「今日から一ヶ月間、この寮の管理人となったシャリィ・レアリルです。私も不慣れですが、可能な限りサポートするので気軽に声をかけてくださいね」

「は、はぁ・・・」



寮の前で今後について話し合っていると管理人に声をかけられる。
長い金髪を携えた綺麗な女性。
穏やかそうな笑顔で会話を始めたが、胸元が大きく開いたシャツに丈の長いスカート。
笑顔は優しくお淑やかな雰囲気を醸し出しているというのに、胸元が開いているせいで目のやり場に困る色気も持つ女性だ。

他の男性騎士達は綺麗な人が来たー!と後ろで喜んでいるけども。


というよりこのシャリィという女性、前に仕事の関係で会った事があるような・・・。
その時は冒険者だったはずだが。



「あ。確か・・・セインさん、でしたっけ?お久しぶりです」

「やっぱり、冒険者の・・・」

「はい、冒険者で僧侶やってるシャリィです。最近まで行方不明だったというか、教会に心配かけてしまったんでしばらくは安い給料で教会のお手伝いしてるんですよ〜」

「あぁ・・・。確か冒険者の僧侶も大半が教会所属でもあるんでしたっけ」

「おかげさまで最近の情勢だとかなり不安定な立ち位置なんですけどね〜」



冒険者で回復魔法を扱う僧侶などの役職の人達もれっきとした聖職者だ。
聖職者という立場的に教会と関係がないという人はほとんどいないだろう。
関係が友好的だった時は問題なかったが、最近の情勢だと苦労も耐えないだろうな・・・。

だが・・・久しぶりにあったシャリィは雰囲気が大分変わった気がするな。
久しぶりといってもほんの数ヶ月ぶりくらいだったと思うのだが。

彼女は相棒の女性剣士と仲が良く、男性所帯の多い冒険者の中でお淑やかだが強く生きている人だった。
しかし目の前の彼女は・・・なんというか女性らしさが強くなったとうか。
露出は多いけど、穏やかな表情は前以上に包容力を感じるし・・・。

ウチの若い騎士達は彼女に釘付けだった。
・・・オレも、クラリスという恋人がいなかったら目を奪われていたかもな。



「冒険者やっているので街の周囲の地形には詳しいつもりです。護衛とかで採取行くときなどは気軽に相談してくださいね」

「ありがとうございます」



管理人となったシャリィとの挨拶も済ませ、オレや騎士達もあてがわれた自室へ荷物を運んでいく。
夕方には担当するシスターと僧兵見習いとも挨拶を済ませて、これから始まる仕事環境への準備も整ってきた。

シイナ程ではないにしろ新しい環境や、責任者としての立場に不安も感じるが・・・なんとかこなしていこう。


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