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文香
【その他 官能小説】

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文香-11

 「その服は裸より厭らしいな。また立って来ちゃったよ」
 「又やる?」
 「うん、まあちょっと一服しよう」
 「吸ってもいい?」
 「お前煙草なんか吸ったっけ?」
 「違う、これ」
 「チンポ? いいけど俺は煙草吸うよ」
 「うん。だから私はこれを吸う」
 「そんじゃまあ、お互い吸うか。俺のは吸っても煙は出ないけど」
 「うん」
 「煙は出ないけど白いジュースが出てくるかもな」

 「ネエ、何だか知らないけど母さんが竜ちゃんのことえらく気に入ってるみたい」
 「ほう」
 「あの子ならいつでも連れて来なさいって」
 「ほう」
 「どうしたの?」
 「別に。まあ人に好かれるのは悪いことじゃない」
 「こんな服装させてるっていうのに何でなんだろ?」
 「そのお陰でお前綺麗になったじゃないか」
 「うんうん、じゃなくて、はいはい。」
 「はいは1つでいい」
 「はい。私友達から『どしたの? 急に綺麗になったじゃん』って言われちゃった」
 「そうだろ。俺でもそう思う。でも、もっと綺麗になるぞ。俺と付き合ってれば」
 「はい。ずっと付き合おうね」
 「お前この前買った服持ってきたか?」
 「この前買った服って?」
 「エアロビクスの店で買っただろ」
 「ああ、持ってきたよ。ほら」
 「それじゃそれに着替えろ」
 「あのね、今日はうちに行かない?」
 「いいけど何で?」
 「あれから沢山服買ったから見て貰おうと思って」
 「ほほう。俺の好きそうな服買ったか?」
 「うん、いえ、はい。そんなのばっか買ったつもりなんだけど」
 「よし、それじゃ見に行くか」

 「お前んちって流石に金持ちだな」
 「どうして?」
 「どうしてって家がデカイじゃん。そんでいい物ばっか食ってるからブクブク太ったんだろ」
 「いい物なんか食べてないよ。でも野菜が嫌いだから肉ばっか食べてた」
 「そういうのをいい物ばっか食ってるって言うんだ」
 「そうなのか。肉食べると太るのかな」
 「そうさ、お前。ほうれん草とキャベツばっか食ってみろ。そんなのいくら食っても太らないから」
 「それはそうだね」
 「肉を食べたら野菜も食べないといけないんだぞ」
 「そうなの?」
 「お前んちの親ってそんなことも教えてくれないの?」
 「だって一緒に食べたこと無いから」
 「何で? 一緒の家に住んでるんだろ」
 「うざいから」
 「何が?」
 「ああだこうだうるさいこと言うからいつも独りで食べてる」
 「お前なあ、友達がいなくて寂しくて金ばらまいて人を集めてたんだろ。家族だったら金なんか使わなくたってお前と仲良くしてくれんだぞ」
 「竜ちゃんも家族と仲良しなの?」
 「俺の家族なんて九州にいるんだから仲良しもへったくれも無いだろ。お前は恵まれ過ぎてるから我が儘に育ったんだ」
 「そうかな」
 「そうだ。まあしかし、そんなことはいいや。ちょっと着て見せろよ」
 「どれがいい?」
 「どれがいいじゃない。買った奴全部取っ替え引っ替え着て見せるんだ」
 「えー、全部って20着以上あるよ」
 「そんなに買ったのかよ。金があるとやることが違うな」


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