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June bride
【純愛 恋愛小説】

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第7章 June bride-8

「きっとパパが死んだ時、まだみーちゃんには死というものがどんなものだか良く分からなかったと思う。きっと長い別れって言うか、海外出張で家にいないような、そのうち帰って来るんじゃないか、みたいな、そんな感じだっと思う。いつか帰って来るんじゃないかとずっと思ってたかもしれない事を思うと、本当に申し訳なく思うよ。でも大人になった今のみーちゃんはもう死というものを理解していると思う。きっとひょっこりそのうち帰って来るんじゃないかと期待する事もないと思う。せっかくパパの死を受け入れたのにこうして思い出させる事が果たして良い事なのか、パパは悩んだ。でもパパはどうしてもみーちゃんの結婚をお祝いしたかった。だからこのビデオをママに託して、いつか結婚するであろうみーちゃんの幸せを今、祈ってるんだ…。」

「みーちゃんは天使。みーちゃんが産まれた時、パパは嬉しくて思い切り泣いたんだよ?この手で初めて抱いた時、パパはみーちゃんを絶対に幸せにしてあげる、そう誓ったんだ。この小さな命を守るのはパパしかいない、パパとママしかいない、何があってもみーちゃんを守る、そう誓った。みーちゃんは本当に可愛かった。赤ちゃんの時、ちょっとでも泣くとパパ、心配になっちゃってさー。ママに呆れられる程、一生懸命あやしたよ。少しずつ成長して、ハイハイ始めて、そして初めて立った時なんて嬉しくて涙が出たよ。言葉を喋り始めると、パパ、みーちゃんが言う、まだ良く分からない言葉を必死で聞いて必死で喋りかけてたっけ。みーちゃんが初めてパパと言ってくれた事は一生忘れないよ。ま、一生って言っでもパパの命はもう長くないけどね!死んでも忘れないよ!」

「みーちゃんにガチャガチャやりたいと言われるとついつい百円玉にいっぱい両替しちゃったし、欲しいと言う物が出るまでガチャガチャしまくったなぁ。おもちゃが欲しいって言われれば買っちゃったし、抱っこと言われればすぐに抱っこした。一日ごとに重くなってくみーちゃんに、パパはみーちゃんと一緒に人生を歩んでいるんだと実感したもんだよ。周りからも、ママからも相当な親バカだってからかわれたけど、パパ、みーちゃんの前では確かに馬鹿になっちゃう。でもみーちゃんにワガママ言われるの、パパ、大好きなんだよね。さっきも言ったけど、もっともっとワガママ言われたい、そう思っちゃうんだよね。」


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