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June bride
【純愛 恋愛小説】

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第7章 June bride-3

パパの目には今の私はどう映ってるんだろう。期待ハズレかな??でも普及点には達していると思うんだけどな。でもパパは優しいからきっと世界一綺麗だと言ってくれると思う。決してそうじゃなくても、パパの中で世界一なら私はそれでいい。

会社の上司がお祝いの言葉をくれ、友人達も祝福の言葉を私たちに届けに来てくれる。注がれるお酒に顔が赤くなってくる旦那様、そして楽しい余興に私たちはいっぱい笑う。私はその合間にテーブルのお母さんの隣に置かれたパパの写真をチラッ、チラッと見る。パパは楽しんでくれてるかな、祝福してくれてるかな…、私はついついパパの顔色を伺ってしまう。もしパパが生きていてくれたら…、私は頭の中でそう考えてしまう。

パパが死んだ時、私はまだ幼かった。まだ人間の死について漠然とした理解しかなく、とにかくもう会えないんだと言う気持ちと、もしかして生き返るんじゃかいかと言う希望と、これは夢で目が覚めればきっとまたパパが私に微笑んでくれるのではないかと言う妄想を抱えていた。しかし1日ごとパパのいない世界を生きていく中で、私は少しずつ人間の死と言うものを学んで行った。

でもパパはずっと私の心の中で生きていた。ずっと私の側で微笑んでいてくれた。きっとパパが生きていたら私の事を世界一愛してくれたはずだから、私はパパの愛情に支えられてここまで生きて来た。だから私は自分の境遇を母子家庭と思った事はない。目を閉じればいつでもパパが私に微笑んでくれるから。披露宴も終わりに近づいた時、私はふと目を閉じた。するとタキシードを着たパパがいつものように…、いや、いつも以上に優しく私に微笑みかけていた。

パパの役目は終わったよ、これからはみーちゃんの人生をしっかりと歩いて行くんだよ?みーちゃんはもうこれからは子供じゃない、ママになるんだからね。パパはきっとそう言うだろう。しかしその言葉は半分だけしか守れない。何故なら私は永遠にパパとお母さんの子供だし、これからもお母さんを大切にして行くつもりだから。パパのせいで苦労したお母さんにこれからたくさん恩返しをしなきゃならないからね。これからもいっぱい甘えてしまうだろうし、そんな事を考えているとお母さんと目があった。私にはどことなくお母さんが、ヤレヤレ、と苦笑したように思えた。私は悪戯っぽく笑ってみせた。


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