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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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酸っぱいイチゴ-2

こうして私はゆきちゃんの「イチゴ処理係」になった。
ショートケーキを買ってきたときに「あーん」しに行ってイチゴを食べる係だ。
ついでにおしゃべりをして残業中におけるつかの間の楽しいひとときを過ごす。
彼氏がいることを公言していた彼女には誰もおおっぴらにアプローチできないなか、これは私だけの特権だった。
私がイチゴ処理係に「就任」して以来、彼女がよくショートケーキを買ってくるようになった気がして、それも嬉しかった。

この時期残業や休日出勤も多かったが、若く仕事へのやる気に溢れていた私はそれほど苦ではなかった。
チームの上司や先輩に恵まれていたし、私自身も新人なりに成果も出してまずまずの評価を受けていた。
もちろん彼女の存在もあった。酸っぱいイチゴをきっかけに私達はますます仲良くなり、おしゃべりや仕事を通じて彼女も私の人となりに信頼を寄せてくれるようになった。
私も容姿だけでなく性格も美人で誰に対しても誠実な彼女のことをますます好きになっていった。

会話の内容もくだらない雑談だけでなく、仕事やプライベートまで広く深くなっていった。
その頃彼女は、仕事をもっと頑張りたいのに彼氏があまりいい顔をしないとしばしば嘆いていた。
彼氏は女性の仕事はほどほどでいいと考えるタイプらしく、社会人となった彼女が自立心を見せるにしたがって価値観の違いが表面化してきたらしい。
そういった愚痴を聞いては同情しつつも内心これはチャンスかもと喜び、あるいは同僚女子とクリスマス合コンに参加するなどという噂を耳にしてはやきもきしていた。
好きな女性のあらゆる言行に一喜一憂して気持ちを振り回される甘酸っぱい日々。

そういえば結局あの合コンには参加したのだろうか。
彼氏持ちとあって普段そういうイベントには顔を出さない「職場の華」のゆきちゃんがはじめて参加するとあって、同期を中心にざわついていた記憶がある。
当時の私と彼女の関係なら聞けば教えてくれたとは思うが、なんとなく怖くて聞けずに、相手も人数も知らずじまいである。
もちろん今なら聞けるので今度聞いてみようか。
ちなみにまだFとはぎりぎり別れる前の話のはずで、彼女に対して尻軽女とまでは言わないが少し失望する思いもそのときはあった。
いや、正直に白状すると当時の私は「実は彼女も私のことが好きなのでは?」という「勘違い男あるある」な思い込みをしており、クリスマス合コンなどといういかにもギラギラした場に出かける彼女の行動に勝手に傷ついていた。
彼女からすれば少しくらい羽根を伸ばしたいときだってあるだろうし、私への好意が多少あったにせよ別の男性との出会いまで制限される謂れはなく、完全な私の逆恨みである。
と、今ならそう思えるが当時そんな余裕はなかったのである。

話がそれた。
ゆきにとってもあの頃の私を含むチームメンバーとの時間は多忙ながらに大切な思い出となっているようだ。
実際今でもそのときのメンバーとは夫婦ぐるみで付き合いが続いているほどで、チーム全体の仲がよく仕事も充実していた。
もっとも後年判明したように、そんな当時でさえ、ゆきとFはどろどろの変態行為を続けていた。
もちろん若いカップルなら多少関係が冷えても会えばセックスするのは仕方がない。もともとゆきは週に何度かオナニーを楽しむほど性欲の強いタイプだし、またこれはZへの貸し出しでも感じたが、彼女はどうやら男に尽くすセックスが好きなM体質でもある。
しかしまさか自分の無修正の痴態がネットに大公開されているとも知らず、彼氏の変態セックスの相手を務めさせられていたのは哀れとしか言いようがない。
あの頃の「ゆきちゃん」の清楚な佇まいや屈託のない笑顔を思い起こすたびに心がちくりと痛む。彼女があの笑顔の裏でしていた行為のことを考えると辛くなるし、ゆきには申し訳ないが、とてつもなく興奮してしまう。
それでもこの秋から冬、私との関係が深まっていくにつれてFの投稿が少しずつまばらになっていく事実には、救われる思いもある。
会えば惰性ですることはするが、そもそもの会う機会が減っていった時期ということなのだろう。

いずれにせよ当時の私はもちろん彼女の裏の顔など知る由もない。
知っていたのは、彼氏とのすれ違いが増え、うまくいかなくなりつつあったということと、年が明けた1月下旬、二人がとうとう別れたということだけである。


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