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祭りの日の儀式
【若奥さん 官能小説】

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時を越えたカミングアウト-3

「裸見られてもかまわないって言ってるし、AVに出てみるのも面白いかもなんて騒いでた時もあったぐらいっスよ」
 若年層向けの女性誌から飛び出してきた読モのようなルックスの優香。破天荒な優香らしい。
「本当にいいのね?じゃあ、この流れで透から話してもらいましょうか。みんなも、いい?人の話を聞いてから、私は嫌よは無しだからね」
 奈々子が、最終確認をそれぞれに促した。
「ちょっと待って。できれば妻をここに呼びたいんだけど」
 大信の更なる驚きの発言。
「ええぇーーっ」
 全員が、驚きの声をあげた。
「ね、ね、本気なの大ちゃん?」
 奈々子でさえ心配している。それほどに、大信の行動は大胆。普段のおとなしい性格を知っているだけに、驚きを越え、心配になり始めている。
「モヤモヤを吐き出して、スッキリしたからテンション上がってきてるんだと思うけど、少し落ち着いてから次の展開を考えた方がいいんじゃない?」
 奈々子は心配気味に聞いた。
「いや。逆にこのタイミングじゃないと、次一歩踏み出すのが、また先になっちゃうだろうから」
 大信は、ここで退くことはしないと、強く心に決めたようだった。
「どっちみち迎えに来てもらう予定だったから、ある程度は準備していると思う。呼べばそんなに時間掛からないと思う」
 そう言って、Lineを打ち始めた。
「俺もとっとと仕事片付けます。透は、キッチンに消えた。

 百合子は、10分も掛からず到着できそうだ。
「どこまで話したの?」
 心配になった臣吾も、大信に確かめた。
「一応、夜の生活についてオープンにしたいって言ってある」
 ストレートに伝えたようだ。
「そうなんだ・・・・・・」
 そう呟いた奈々子だったが、心の中では、もしかしたら人に知られることで興奮しちゃうタイプなのかなと思っていた。所謂恥辱行為が興奮を誘う人たちだ。
 今までにも、そういったタイプのスケベ人間と出会ったことがある。
 大信がそこまで腹を括っているのであれば、その意を汲んであげるのが本望であろうと、奈々子は思った。
「じゃあ、百合子さんが来るまで、飲んで待ってようか。他の皆もそれでいい?自分の中でしっかりと腹を括ってね?」
 奈々子は、悪魔のような笑顔を見せた。

 10分が過ぎた頃、約束通り、百合子が店に入ってきた。顔は完全に強張っている。
 それもそのはず、これから自分のスケベな女の部分が一同の前で晒されるのだ。
 いくら恥辱によって性的興奮が増長されるといっても、それが初めてのことであれば、誰だって緊張しないわけはない。
 この場にいた全員が、百合子の心情を理解できた。
 一方百合子は、いつかこのような日が来るのを覚悟していた。自分たち夫婦の性的嗜好が、ノーマルの範囲から逸脱していることはわかっていた。
 ただ、その行為が、とてつもない興奮を与えてくれることも良くわかっている。
 恥ずかしいことは重々承知しているが、それを超える快楽を得られるのであれば、周囲の目など気にしてなどいられない。身震いするほどの快楽を得ようと、性欲が理想を越えてしまったのだ。
 だからこそ、カミングアウトすることを心のどこかで望んでいた。

「遅くなってすいません」
 こちらから勝手に呼び付けたのに、低姿勢でおずおずと頭を下げた。
「何言ってんの。こっちがいきなり呼び出したんだから、かえって申し訳ないね」
 悟が少し上ずった声で言った。
 恐らく、これから始まる公開恥辱プレーが頭にあるのか、少なからず緊張しているようだ。
 百合子は、この時間帯、店の雰囲気には似つかわしくないほど、楚々とした恰好をしていた。
 リクルートファッションとは言わないが、系統はそんな感じ。カッチリとした上下で、これから面接ですと言っても、誰も疑わないだろう。
 まあ、これから面接に近いことをするので、間違いじゃあないのだが。

「ねえ、百合子さん。話は聞いてる?」
 奈々子よりも2つ年上の百合子。栗原家は姉さん女房だった。
「わたしたちにとっては、いつものことなんだけど、百合子さんってそういうイメージないから」
 奈々子は、百合子が自分の意思を蔑ろにされて、無理やりここに呼ばれたのではないかと、勘繰っていた。
「いえ。これは・・・このことは、主人の意向というより、私の意向の方が強いんです。むしろ、主人を巻き込んでしまって、申し訳ないとも思っています」
 丸っきり逆だった。大信よりも百合子の要望が強かったのだ。
「皆さんが羨ましかった。いつも、明るく楽しくお話しているから、淫猥な感じは全くしなくて、世間話をしてるかのうように感じていました。暗く猥褻になりがちな話なのに、明るい馬鹿話にしか思えなくて・・・・・・。あ、ごめんなさい。馬鹿話なんて言っちゃって」
 本当に真面目に物事を考えるし、分別もしっかりしている女性であることが、あらためて分かった。
「いつでもウエルカムよ。人間みんなスケベなんだから、自分だけだなんて思う必要なんかないよ」
 奈々子は諭す。
「ありがとう。でもね奈々子さん。私のようにクソ真面目に生きてきて、お堅い考え方しか出来ない人間にとっては、とてもとても難しいことなんです。コトがコトですし」
 百合子は、自分自身をしっかりと理解している。その上での決意だ。
「俺も、頭が固いし、どうしても人の目が気になってしまって・・・・・・」
 大信も葛藤していた。
「しょうがないよ。性格だもん。わたしたちの仲間内だって、全員が全員ってわけでもないし。みなみちゃんなんかは、毎回ドキドキしながら話に加わってるんじゃないかな。ねえ、臣吾?」
「そうだね。うちのみなみは、元々ここの人間じゃないし、初めてその話を聞いた時は、驚いたなんてもんじゃなかったよ。色魔の集団だと思ってんだから。今ではだいぶ免疫が付いてきたけど」
 


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