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口封じ
【二次創作 その他小説】

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口封じ-1

「ムーン・プリズム・パワー・メイクアップ!」
月野うさぎが華麗に変身をして妖魔と戦う。
「ムーン・ヒーリング・エスカレーション!」
技を繰り出して勝利を納めた。
変身を解除して去るうさぎ。
その影にスマホで一部始終を撮影しているのも知らずに・・・

数日後。
何時ものように授業も終わり帰ろうと下駄箱を開けると一枚の手紙が靴の上に置かれていた。

指定の場所まで来い。
16時まで来ないとこの写真と持っている動画をばらまく。

そこにはセーラームーンとして変身し変身を解除している自分の姿が映っていた。
うさぎは青ざめ、急いで靴を履き替えると指定の場所に向かった。

指定の場所は小綺麗な小さい床屋だった。
「なんでここに・・・」
躊躇いつつも中には入るとドアが閉められ鍵も掛けられた。
「!?」
「ようこそ、月野うさぎちゃん」
その人物はうさぎの通う学校の教育指導者だった。
いい教師だか実家が理容師なのか髪の長い女子生徒にやたらとカットを勧めることで有名だった。
当然、女子生徒からは嫌われていた。
「驚いたよ、まさかうさぎちゃんがセーラームーンだったとはね、偶々通り掛かったらうさぎちゃんの変身姿や解除、全て見たからね」
写真を見せスマホの動画機能を動かし、見せつける。
「お願いします・・・写真と動画を消してください」
うさぎは青ざめて頭を下げた。
「それには条件と言うものがあるよ」
「条件・・・」

その条件とは髪を切らせて貰うことだった。

「そ・・・そんなっ!」
髪を切る事に躊躇いを感じると指導者は動画をばらまくと脅した。
それを聞いてうさぎは辞めてと泣きそうな声を出した。
「髪を切らせてくれたら動画は消すし写真も返す、君がセーラームーンだと言うことは忘れてあげるよ」
そう言われたうさぎは震えながら頷くしかなかった。

散髪椅子に座らされ、ケープを掛けられるとゴムとピンを外し髪をほどいた。
スマホの動画機能を作動し、スマホ立てに立て掛けると散髪光景が映るようにした。
ほどかれた髪を軽く下結いすると大きくて切れ味のいい鋏を持った。
「じゃあ、一気に切るよ」
鋏を結び目辺りまで鋏を入れると纏まった髪が切り離され、跡はサンバラになっていた。
「凄く長いね〰️新記録は狙えるよ〰️」
纏まっている髪をワゴンに置くと霧吹きで髪を湿らせ長さがバラバラになっている毛先に再び鋏を入れた。
うさぎは一瞬で短くなった自分の髪を見てショックで言葉が出ずに輝きを失った目で鏡に映った自分の姿を見るしか出来なかった。
毛先を揃えていくが鋏が大きすぎるのか、腕が悪いのか、うさぎの髪はどんどん短くなっていきサイドは耳上まで揃え後頭部もサイドに合わせていた。
前髪も眉よりも上まで真っ直ぐに切り揃えた。
「後ろがな、やっぱりあれを使うか」
鋏を置くとバリカンを取り出し、コンセントに繋ぐとスイッチを入れた。
バリカンのモーター音にうさぎは振り替えようとしたが間に合わず頭をしっかりと押さえて俯かせた。
「いやっ!これだけは‼️」
うさぎは抵抗したがバリカンでうなじに入り、後頭部の髪を刈り初めた。
耳上付近まで刈り上げるとバリカンをずらし刈り上げ範囲を広げていく。
後頭部をすっかり刈るとサイドも耳上まで刈り落とした。
「あっ・・・ああっ・・・」
半分ほど無くなった髪にうさぎは涙をこぼしこのまま気を失った。
バリカンのスイッチを切るとまた鋏を持って毛先を真っ直ぐに切り揃え、ブラシで細かい毛を払い除けると市販のシェービングクリームを手に取り刈り上げた部分に塗り手繰り剃刀で丁寧に剃り上げた。
シェービングクリームが無になり刈り上げが剃り上げになるとタオルで拭い、ドライヤーで髪を乾かすと気を失っているうさぎを起こした。
ケープは外され、床は大量の髪が落ちていた。
「そ・・・そんなっ!」
うさぎは自分の姿を見て言葉を失った。
毛先は定規を引いたかのように真っ直ぐに切り揃え、うなじから耳上まではツルツルに剃り上げられていた。
「ワカメちゃんカットだよ、うさぎちゃんは可愛いからね、どんな髪型でも似合うよ」
髪を片付けると約束通り、写真を返しセーラームーンの動画も削除した。
「じゃあ、明日また学校で」
指導者が部屋の奥に引っ込むとうさぎは床屋から出て行った。

周りの視線を気にしつつもまずはウィッグと帽子を買おう。

それからはどう説明すればいいのか・・・

うさぎはそう考えながら人目を避けつ早歩きで商店に向かった。

END


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