耀子-24
「どんな服を着ればいいと思う？」
「そうですね。今度私が選んで上げます」
「そうか。そしたら食事の後君の服と僕の服といろいろ買い物しようか」
「先生の服は私が一人の時に買い物します」
「何故？」
「これは厭、あれは厭と言いそうだから」
「そんなこと言わない」
「絶対言いませんか？」
「まあ、大体は言わない」
「大体では駄目」
「何か余程変な物を着せようと考えているのか？」
「そうですねえ。おっぱいが半分顔を出すような服とか」
「馬鹿。男がおっぱい出してどうするんだ」
「それじゃオチンチンが半分顔を出すような服は？」
「おい。勘弁してくれよ」
「冗談ですよ。そんなのある訳ないし、あったとしても私の方が恥ずかしい」
「君の好みは尊重するが、余り突飛な服装はいかんよ」
「どうしてですか。私にはこんな服を着せるくせに」
「だからだ。二人して突飛な服を着ていたら漫画になってしまう。片方だけだからいいんだ」
「まあ、何て勝手な理屈なんでしょう」
「さあ何が食べたい」
「話を逸らす」
「僕は焼肉が食べたい。久しぶりに激しいセックスをしたから精を付けたい」
「人に聞こえますよ」
「聞かせようと思ったんだ。どうだ、この年よりはこの若い美人とセックスしたんだぞってな」
「悪趣味」
「しかし僕には人にセックスを見せたいという願望は無い。その点は酷く健全なんだ。残念だろう」
「何で残念なんですか？」
「君は人に見られてセックスしたいという願望が無いか？」
「ありません。私だって健全です」
「そうか。それじゃ二人だけでブバババーと激しい音のするセックスをして楽しむか」
「何ですか？ そのブバババーって」
「オナラの音だ」
「馬鹿。もう先生とセックスなんかしない」
「セックスはいいだろう。空気浣腸が厭だというだけで」
「こんな所でそんな話しないで下さい」
「そうだな。糞喰ってる時に食事の話をしてはいかんな」
「厭だ。汚い」
「ん？ ああ、間違えた」
「わざと間違えたくせに」
「君は実に厭そうな顔をするな。その美人顔が歪むと可愛く見えるんだ」
「歪まないと可愛くないんですか？」
「歪まないと端正過ぎて少しお人形のように見える」
「美人だ美人だと褒めてたのは嘘なんですね」
「嘘じゃないさ。端正な顔と言ったじゃないか。端正というのは極めて整ったという意味だ」
「個性的じゃないという風に聞こえますね」
「おっぱいが個性的だからいいじゃないか」
「そんなに覗きこまないで下さい。みんなが見てます」
「みんなが見れないように僕の顔で隠してやろうと思ったんだ」
「それならこんな服を買わなければいいのに」
「見せてもやりたいし、隠してもやりたい」
「ほら、もう焼けてますよ」
「そうだな。美味そうだな」
「太りそう」
「君はもう少し太ってもいいよ」
「痩せてますか？ 自分では太ってると思っているのに」
「痩せてはいないが、太ってもいないさ。もう少し肉付きがいいと女らしい線が出る」
「今は女らしくありませんか」
「そうでもないが、もう少し柔らかい曲線が好みだな」
「それじゃ沢山食べないといけませんね」
「ああ。こうしてキムチと一緒に食べるんだ」
「どうして？」
「栄養学的にもその方がいいし、味も良くなる」
「そうなんですか？」
「ああ。試してごらん」
「本当。美味しい」
「だろう？ 沢山キムチを食べなさい」