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耀子
【SM 官能小説】

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耀子-18

 夏だけれども耀子が着ていたのは長袖の白いワンピースである。袖の部分がオーガンジーというガーゼのように透けている素材だから長袖でも涼しそうに見える。しかし裏地を剥ぎ取ってしまえばワンピース全体が袖と同じになってしまう。だから体は全く全部透けていた。これではいくら何でも飲みには行けない。耀子の覚悟と反応を見たいから外には出たが、暗い道を選んで家の周りを一周しただけで帰ってきた。

 「ああ、助かった。本当にこれで飲みに行くのかと思って震えてました」
 「しかしその割には平気な顔して歩いていたじゃないか」
 「平気な顔なんかしてません。顔がほてって赤くなってる」
 「可愛い顔になった」
 「外に連れ出された時にはもう脚が本当に震えてました」
 「そうか? 厭がっている様子が無いので僕より余程大胆なんだなと思っていた」
 「だって自分から言い出したことだから今更厭だなんて言えなくなってしまったんです」
 「そうか。しかしこれでは透けてるネグリジェと同じだ。いくら僕でもこれでは飲みになんか行けない」
 「今度来る時はもう少し適当な服を持って来ます」
 「持ってくる必要は無いんだ」
 「買っておいて下さるからですか?」
 「ん? まあそれもそうだが、持ってこないで着てくればいいと言ったんだ」
 「ああ、そうですね。でも夜になればどうにか着られるけど昼間だととても着られないという服装を考えていたので」
 「それはどんな服装?」
 「え? 具体的には考えていないんです。そんな感じの服が先生はお好きなんだろうと思っただけで」
 「そうだな。良く分かっているな」
 「どんな感じの服だとそうなるんでしょう」
 「つまり昼間だととても着られないが夜ならどうにか着られるという服か?」
 「ええ」
 「それは露出面積が大きいとそういう感じになるんじゃないのかな」
 「ミニですか?」
 「単なるミニではつまらない。前から見ると随分露出している服だなと思うけれども後ろから見るとギョッ、あの女ビキニで外を歩いているぞって思うような服を今頭に浮かべたんだ」
 「それはどんな服ですか?」
 「だから腰巻程度の小さいスカートが胸当てとくっついているようなワンピースだな」
 「つまり胸当てのあるエプロンの下がスカートになっているような服ですね」
 「そうそう。それで体に密着していて光るような生地だと更にいい」
 「そういうのは自然にイメージが湧いてくるんですか?」
 「どうして?」
 「良くそんな服を思いつくなあと感心したんです」
 「日頃からセクシーな服に関心を持っていると何を見ていても、おっ、これはいいなと思う服に出会った時、それが頭の中にインプットされるんだ。まあ、主にはインターネットのアダルト・サイトで見るんだけど、それだけではないよ。テレビを見ていたって雑誌を見ていたってそうさ。思わぬところで僕の気に入る服装に出会うことがある」
 「思わぬ所って?」
 「例えばアニメとか広告とかだね」
 「ああ。コスプレ大会か何か行けばきっと先生の気に入りそうな服装が沢山ありそうですね」
 「そうだな。それとかキャンペン・ガールの沢山いるようなモーター・ショウとかね」
 「行った事があるんですか?」
 「ないな。そこまでするのは面倒だ」
 「今度私と一緒に行きますか?」
 「コスプレ大会に?」
 「ええ」
 「そういうのに興味があるのか?」
 「いいえ。でもこれからは興味を持たなくてはいけないんだと思って、先生の為に」
 「それは嬉しいが、僕のような老人がそんな所に行くのは場違いだから遠慮しておくよ」
 「又老人だなんて言う」


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