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亜美
【SM 官能小説】

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亜美-3

 「あの」
 「何?」
 「こういうのもSMなんですか?」
 「え?」
 「1人の女性を単に大勢の男で姦しているだけだと思いますけど」
 「あっ、鋭いな」
 「そうなんだ。それは厳密に言うとSMには入らんだろな。いつもはSM風の衣装を着せたり浣腸したりするんだけども、この時はただセックスして顔面シャワーしただけだったな。まあおしっこ飲ませたからそこがSMになってると言えば言えるけど」
 「SMと言っても要するに変態というのと同義語に使っていると思えばいいのよ。だから1人と複数のセックスもその意味ではSMに入る訳」
 「はあ、なるほど」
 「大体ね、こういうのに参加してくる女性ってのは淫乱なんだ。淫乱だからいろいろ変わったことをやられるよりも、兎に角大勢に何回もセックスして欲しいって、それだけなのが多いんだ」
 「そう。それで男の方も只でセックスしたいって連中ばっかりだからこの企画はSMから外れることが多いんだよ」
 「はあ」
 「でもこの時はお陰でうんこの匂い嗅がされないで済んだんだ」
 「ああ、なるほど」
 「我々としてはもっとマニアックなものを追求したいんだけど、こういう企画は安上がりでしかも結構人気があるんだ」
 「はあ」
 「どうしてかね。どうしてだと思う?」
 「さあ」
 「自分もいつか参加出来ると思うからかな。それともやらせじゃない本物の良さっていうのがやっぱりあるのかな」
 「参加者達が楽しんでやってるから、それなりの雰囲気というのが出てるんじゃないのかな」
 「うん。そうなんだろうな」
 「中田君も楽しまないか?」
 「は? それはまあ、もう少し仕事に慣れてからにさせて下さい」
 「まあ、中田君も張り切りすぎないようにボチボチとやってくれたまえ。張り切りすぎて鼻血が出て貧血になるといけないからな。それで当分は先輩の赤尾礼子君と組んで仕事をして貰うから、いろいろ教えて貰うといい」
 「はい。宜しくお願いします」
 「こちらこそ。中田君には私の恥部をいろいろ見せることになると思うけど仕事と割り切ってやるんだから貴方も恥ずかしがったりしないで頑張ってね」
 「はい。恥部って性器のことですか?」
 「それくらいならいいのよ」
 「まあ、仕事と言っても楽しみながらやっていけないことは無いんだから大いに楽しむといい」
 「はい」

 残業手当は原則として付かないから、明日からは昼頃出勤してくればいいと言われた。取材対象の性質上夜の仕事が多いので、午前中から出てくる必要は無いというのである。そこで翌日12時に出勤すると編集主幹という肩書きの唯一の中年である水田宗助という男が自分の机で弁当を食べていた。



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