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亜美
【SM 官能小説】

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亜美-23

 「あっ、済みません。意外に重くてよろけちゃったもんですから」と言って振り返ったが、男はバッグにムチをしまっており、誠司と亜美のことなど見てもいなかった。礼子が後ろから中腰になっていた誠司の尻を膝でポンと押したので、誠司は女の体の上に又倒れ込んでしまった。女の体の両脇に手を付いて支えたが、倒れ込んだ弾みで顔が丁度女の乳房にぶつかった。横を向いてよけたが誠司の右頬はベッタリと女の乳房に当たった。柔らかくて弾力がある。誠司の頬には女の乳房に光っていた汗がスタンプでも押したようにそっくりそのまま付いた。振り返ると礼子がニヤニヤしながら見ていた。
 失神している裸の女をベッドに寝かしたまま男とのインタビューが始まった。偶にはやってごらんと礼子が言うので、主に誠司が質問している。

 「亜美さんと一緒にプレイするようになってからどのくらいが経つんですか?」
 「約3年です」
 「股間のピアスと入れ墨はSMプレイの一環として入れたものなんでしょうか。それともあれはSMプレイとは別の心理というか、つまり独占欲の表現みたいな一種の刻印といったものなんでしょうか?」
 「そうですね。ピアスの方はあのチェーンでラビアを拡げたり重い物をぶら下げたりしますから一種のSMプレイとしての意味がありますけど、タトゥーの方は完全な飾りですね」
 「飾りですか」
 「独占欲ではありません。敢えて言えば独占される欲かな。僕が強要した訳じゃなくて彼女が勝手に入れてきたんです」
 「ほう。今はムチ打ちだけでしたけど、他にはどんなことをされるんですか?」
 「大体一通り何でもやりますよ。ただ野外露出みたいなことはやりません」
 「それにしては短いワンピースだったようにお見受けしましたけど」
 「ええ、あれが限界ですね。あれ以上の露出はやりません」
 「大体一通り何でもということですが、もう少し具体的に御説明願えますか?」
 「そうですね。やっぱりどうしてもバイブで責めることが多いですね」
 「はあ」
 「あっ、まだ言って無かったですね。僕はインポなんですよ」
 「ほう」
 「交通事故で腰をやられてしまいましてね。いわゆる心理的な物と違って治療は出来ないんだそうで、僕は彼女とセックスすることは死ぬまで出来ない訳です。でも彼女の処女を奪ったのは僕なんですよ。ベルトの付いた張り型があるでしょ? 良くレスビアンが使う。あれを付けてセックスの真似事みたいなことして破いたんです」
 「はあ、すると彼女と知り合った時には貴方は既にインポだった訳ですか」
 「そうです。だから僕は彼女を一生縛り付けようなんて思っていなかったんですが、彼女の方が勝手にあんな入れ墨をして僕から離れないという決意を示してくれた訳なんです」
 「それは羨ましいお話しですね。失礼ですけどインポになる前からSMに傾倒されていたんでしょうか」
 「多少興味はあったように思うんだけども実際やったことは無かったですね」
 「すると貴方の場合はセックスの代償としてのSMプレイということになる訳ですね」
 「そう、僕にとってはそうなんだけども、彼女に取っては代償になってるのかどうか」
 「はあ。でも失神するくらい感じていたんだからなっているんじゃないでしょうか」
 「そうだといいんですがね。しかし僕としてはやはり彼女にセックスによる満足を与えてやりたい訳です」
 「はあ。でも普通のセックスで失神する程感じるというのはそんなにあることでは無いと思いますけど」
 「それはやってみないと分からない」
 「まあそうですね」
 「それで、貴方達に参加して貰おうと思った訳です」
 「は?」
 「私が、赤尾さんでしたっけ? こちらの女性を亜美の見ている所で責めますから、貴方には亜美とセックスして貰いたいんです」
 「はあ」
 「取材が後どのくらいかかるのか分かりませんが、取材が終わってからで結構ですから、どうでしょう?」
 「は?」
 「はじゃないの。中田君の大好きなSMプレイを4人でやろうって仰ってるのよ」
 「はあ」
 「どうすんの?」
 「赤尾さんはどうするんですか?」
 「私? 私は中田君次第」
 「え?」
 「どうすんの?」
 「えっと、あのー、昨日撮影お断りで取材した件がありましたよね。あの何と言うか、豊満な女性の。確かあの記事にはめ込む写真の撮影を今日やるという話だったように思うんですが」


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