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亜美
【SM 官能小説】

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亜美-14

 男はバッグから黒いバイブレーターを取り出すと性器の中に挿入し、紐で腰に縛り付けた。スイッチを入れると女は一層大きく呻き始めた。男は赤くて太いローソクに火を点け、腕を伸ばして高い所から女の体にロウを垂らした。初めの1滴が垂れた瞬間女の体は反り返り、ギャーという大声を出した。後はもう太いローソクだから間断なくロウが垂れて、女の出す声もヒイヒイというようなとぎれ目のない泣き声に変わった。乳房と言わず股間と言わず女の前面が赤いロウで埋め尽くされるまでそれが続いた。女は呻き声を出し続けて既に声が掠れている。顎を上に突き出して反っている姿が厭らしくて、なまじのストリップ・ショーなどは足下にも及ばない感じである。
 はしょって言えばただそれだけのショーだったのだが、女が完全にエクスタシーに達した後も延々とそれが続けられ、ショーとしては実に単調なのに誠司は十分に興奮させられた。結局男は女をバイブレーターとローソクで責めただけで、セックスなどはしなかったし、ムチも取り出さなかった。最後はぐったりとした女を乗せたまま椅子が奥に引き入れられ、一緒に男も退場して終わりである。
 暫くしてから何事もなかったかのように最前の2人が服を着てカーテンから出てくると又席に戻って飲み始めた。女は全員の注視の的であったが、さっきあれほど声を出してわめいていたのが嘘のように平然としていた。縄はほどいたのか今でも服の下にしているのか分からない。女を縛ったり人前でいやらしいことをしたりというのは誠司の趣味ではないが、何と仲の良い二人なのだろうと思って羨ましくて思わず二人を見つめ続けてしまった。

 「さて、出ましょうか。これ以上いると金が足りなくなる」
 「あ、そうですね」
 「もう仕事はこれで終わりだけど軽く何か食べてから帰ろうか」
 「はい」
 「あの2人は常連という感じだったわね」
 「そうですね。慣れたものという感じでしたね」
 「ああいうのは初めて見た?」
 「勿論ですよ。知ってはいたけど実際見たことなんか有りません」
 「どうだった?」
 「はあ、まあ2度目でしたけども興奮させられましたね」
 「2度目って?」
 「だから縄師の所と」
 「ああ、あれね」
 「さっきの人はヌラヌラ光ってはいたけどポタポタ垂れる程では無かったですね」
 「厭ね。やっぱりそんな所ばっかり見てるのね」
 「いや、別にそこだけ見てた訳じゃないんですけど」
 「何時になったらムチや浣腸を出すのかと思って見てたら最後まで出てこなかったから拍子抜けしちゃったわ」
 「そうですか。僕はもう唯圧倒されてました」
 「本当のマニアの集まりなんかに行ったらあんなもんじゃないのよ」
 「はあ。まあ徐々にならさないと、驚いてばかりで仕事にならないですね」
 「その内直ぐ慣れるわよ。どんなことでも毎日のように見てごらんなさい。慣れちゃうから」
 「まあそうでしょうね」
 「今日はこのまま帰りましょう」
 「社には寄らないでいいんですか?」
 「いいわ。明日又3時頃いらっしゃい」
 「はい」



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