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June bride
【純愛 恋愛小説】

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第4章 クリスマス-2

小人の事ばかり考えていると、いつの間にかあなたがいなくなっていた。あれ?と思いキョロキョロすると急に電気が消えた。そしてドアの向こうから歌を歌いながらサンタさんが入って来る。小人さんが堪らず入って来たのかと思った。私は誰かに似ている顔をしたサンタさんを見て、大きな小人さんだな、とクスッと笑う。

わざわざサンタさんのコスプレをして現れるあなた。でも私を喜ばせてくれようとするその気持ちが嬉しい。当然サンタさんなどこの世にいない事も、それがあなたである事も私は知っている。でもあなたの気持ちを踏みにじりたくないから、私はサンタさんに向かって満面の笑みを浮かべる。

プレゼントは知っている。だってずっとあなたに欲しい欲しいと言い続けて来たんだもん。きっとあなたはサンタさんにそれを伝えてくれたはず。サンタさんからプレゼントを受け取り、きっと私は大袈裟に喜んだように見えただろうな。でも私は大袈裟には喜んでない。ありのままに喜んだんだからね?本当に嬉しかったから。私はサンタさんに抱きついて頬にキスをした。そうしたらサンタさんは少し照れながら手を振って帰って行った。

するとあなたはタイミングよく戻って来た。トイレに行ってたと言ったあなたは笑いながら頭を掻いていたいたよね?随分長いトイレだね、とは言わなかったけどね。サンタさんの登場ですっかり忘れていた蝋燭を息を吹きかけて消した後、一年の中で一番ターキーが美味しいこの日に、私達は口元と手をタレでベトベトにしながら楽しいクリスマスを過ごした。

来月のウェディングで手に持ったキャンドルの先に灯る火を見たら、きっとあなたと一緒に過ごしたクリスマスを思い出す事でしょう。あなたが私をいつも喜ばせようと頑張ってくれていた事を…、きっと。


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