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June bride
【純愛 恋愛小説】

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第4章 クリスマス-1

ハロウィンが過ぎると、もう街にはクリスマスを意識した装飾を始めるお店が出始める。まだ2ヶ月も先なのに商売根性丸出しだなと思いながらも私の心の中でもクリスマスが始まったりしている。動物園と一緒。入り口はまだ先なのに駐車場に着いた瞬間からもう動物園にいる気がしてしまう。この2ヶ月はクリスマスに向けてワクワクしながら歩いているようなものかも知れないね。あなたから貰えるプレゼントを想像しながらワクワクしている自分もクリスマス根性丸出しなのかも知れないね。

ううん、プレゼントよりも、何よりあなたと一緒に過ごすクリスマスが大好き。お洒落なお皿に守られたターキー、私の好きなフライドチキンとフライドポテト。フライドポテトはチェダーチーズを網掛けにして食べるのが好き。チーズとポテトは相性がいい。でもあまり掛け過ぎると気持ち悪くなるから適量が大事。そして油っこくなった口の中に清涼をもたらすシャンパンはクリスマスケーキのおまけで付いて来る物だけど、私はマスカット味のシャンパンが好き。あなたは私に合わせてくれる。このマスカット味のシャンパン、美味しいねと言って笑ってくれた。

クリスマスケーキに灯される蝋燭がケーキを何処か幻想的に見せてくれる。ケーキの上に置かれているメリークリスマスと書かれた板チョコが溶けてしまわないか心配そうな目をしている私にあなたはその板チョコを取り、食べてしまう仕草をする。私が楽しみにしている板チョコをあなたが食べてしまう訳がないのに私は焦って取り返そうとする。あなたは冗談だよ、嘘だよ、これはみーちゃんの物だから!って言って私の口に運んでくれる。溶けて指についたチョコレートをペロッと舐めるあなたを見ながら私は美味しそうに板チョコを食べる。半分ぐらいあげれば良かったかな、と心配そうな目でチラッと見る私。そんな私に、美味しい??と聞いてくる。私は満面の笑みで、うん!、と答える。

窓の外は凍えるぐらい寒い。ガラスが曇って外の景色はぼやけて見える。もしかしたら窓の外から小人がこちらを覗いているかも知れない。でも小人さんは中に入って来る事を望んでいないだろう。小人さん達は私達の幸せそうな笑顔を見たいだけなんだ。色んな家を回ってみんながクリスマスを幸せに過ごしているかどうか確かめているんだと思う。私達は大丈夫だよ、幸せだよ?、と伝えてあげる。その瞬間、小人さん達は次の家に向かって行く。


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