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君と僕との狂騒曲
【ショタ 官能小説】

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君と僕との狂騒曲-27


 僕らはあちこち訪問した。スカウトで居る限り、何かしら行動していなくてはならない。これはもう長年の癖で、制服を着ている限りは止めることが出来ない。すっごいデブが数人、道の途中ですれ違った。連中の肩に下げられているのは「技能賞襷」だった。すごい数の技能賞。制服では貼りきれないから襷にしているのだが、どうにも納得がいかない。

「技能賞ってのはあれかい、100m60秒フラットでもいけるのか?」

「いや、100m持たないんじゃないかな、むしろ」

 僕らは声を上げて笑った。

 資格マニアってのを聞いたことがあるが、そのボーイスカウト版だ。情けない。
 ここでは日本がコンパクトにまとまっているような場所だ。愛知県があったり、佐賀県があったり。気のせいか、東北以北のボーイスカウトが見つからない。やはり雪の多い場所ではスカウト活動はきついのか。

 噂では大阪のボーイスカウトが東京に殴り込むとかいうのもあったが、確かに「連帯」というよりは「張り合い」だなあと感じる光景が多かった。多摩一団みたいに忙しいとそんな暇はないんだが。だいたい、12歳から18歳ぐらいのガキを3万人も集めておいて、遊ばせているとろくな事にならない。まあ、中にはロープでアスレチックや吊り橋を作っている進歩的な連中もいるにはいた。見事な造りで、ちょっと感動した。

「ケンピ、ハワイがあったぞ」

 そこには珍しいカラフルなテントやフライがあり、HAWAIIと書かれている。ひっくるめて30人ぐらいか。

「HA〜I, WELCOM TO JAPAN , NICE TO MEET YOU ! 」

 僕は手を振った。初級ぐらいだろうか、まだ幼い顔立ちの少年が手を振った。

「おいケンピ。お前、こっち来てから変だぞ」

「マキの説教ならいらないよ。ちょっとハッピーなだけ」

「それがハッピーだったら精神病院は別荘だよ」

 実はやることのないボーイスカウトの仲間達はどんどんだらけていって、みんな上半身裸で直にネッカチーフを巻いている有様だ。ハットの替わりにバンダナ、キャラバンは後が踏みつけられている。酷いのになると犬の毛皮で出来た腰巻きひとつとナイフとベルトで、パンツもはいていなくて、見苦しいものをぶらぶらさせている。

「とにかくまたショップへ行ってみようぜ。コーラも飲みたいし」

 大きな砂場に建てられた急造のショップはちょっとサーカスがかっている大きなものだ。飾られているのは主にスカウト用品で、ナイフ、ネッカリング、ベレー帽、米軍のあまり前の持ち主を知りたくないバッグ、シャツ、エアマット。他にもアメリカン・インディアンの銀細工の腕輪やネックレス、ごちゃまぜになっている。
 君と僕は瓶に入った由緒あるコカコーラを飲みながら、会場の喧噪を眺めていた。


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