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樹理
【その他 官能小説】

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樹理-8

 「そんな冷たいこと言う訳無いでしょ」
 「それにしても、こんなことしながら飲んで脳溢血か何か起こさないだろうな」
 「血圧高いの?」
 「いや、低い方」
 「それなら大丈夫でしょ」
 「どうしよう。迷っちゃうなあ」
 「男ならいつまでも迷ってんじゃないの」
 「違う、違う。もう泊まっていくことに決めた。今は別のことを迷ってる」
 「何迷ってんの?」
 「このまま飲みたいし、飲むのやめてセックスもしたいし」
 「飲んでからセックスしたら?」
 「飲んだら無理だ」
 「それじゃこのまま飲めばいいじゃない。セックスしてるのと同じ事よ。入れてるんだから」
 「うーん。しかし出すもの出さないとセックスとは言えない」
 「それじゃセックスは朝やればいいじゃない」
 「そうだな。それじゃ腰を据えて飲もう」
 「そうよ。私もこのまま飲むから」
 「そっちも腰を据えて飲むか」
 「そう。ガッチリ入ってるから厭でも腰が据わるわ」
 「このまま2人とも酔っぱらったらこのまま寝ちゃうんだろうか」
 「そんなこと無いでしょ。重くは無い?」
 「重いけど何か押さえつけられてるみたいで気持ちいい」
 「つまみを作ってから入れれば良かったわね」
 「いや。おっぱいつまみにするからいい」
 「そんな所つまみにされたら感じて来ちゃう」
 「お互いに口移しで飲むことにしよう」
 「あらあ、それはいいわね」
 2人はいちゃいちゃと楽しみながら飲んだ。30分程楽しんでから2人でシャワーを浴び、雅也が出てくると先に出ていた樹理が透けたネグリジェを着ていた。
 「それはいいねえ」
 「貴方の好みでしょ?」
 「うーん。好きだなあ」
 「貴方の好みなんて何でも知ってるんだから」
 「どうして?」
 「本当に好きならそんなの当たり前でしょ」
 「そうか?」
 「貴方の好みを知りたいと思って気を付けて付き合っていれば大体分かるものよ」
 「僕の好みを知りたいのか?」
 「そうよ。貴方のことは何でも知りたいの。酔っぱらってたって貴方の喋ったことは全部憶えてるんだから。お新香はちょっと漬かり過ぎたくらいが好きだ。女の寝間着は手触りの良いネグリジェが好きだ、まるっきり全部透けて見える奴がいい。女と2人で飲むんなら体を繋げたまま飲んでみたい。ジョニーウォーカーのスィングが好きなんだけど、これ置いてる店が少ないんだよな、滅多に無い。女の下着はTバックに限るね、前はうんと小さくて後ろは細い紐になってるような奴が最高。毛がはみ出たらどうするの? 勿論毛は剃るのさ。どう、全部貴方の言った言葉よ」
 「良く憶えてるな。そんなこと言ったかな。言ったとしても一遍に全部言った訳じゃないだろ」
 「そうよ。付き合いが長くないと言っても、もう1年近くも付き合ってるのよ」
 「そうだな。それにしてもこのネグリジェいいなあ。いつもこれを着て寝てるの?」
 「こういうのは見てくれる人がいないと着る気になれないわよ」
 「そうか。小さいTバックだなあ。そんなの慣れないと気になって落ち着かないだろう」
 「もう慣れたもん。貴方が好きだって言うから下着は全部こんな物にしたのよ」
 「ほー、そんなに僕の好みに合わせようなんて可愛いなあ。顔に似合わず可愛いことするな」
 「そうよ。貴方のことが好きで好きで堪らないんだから。もう私を泣かせたりしては駄目よ」
 「ナニ、女は時々泣いた方が可愛い」
 「何言ってるのよ。寝ましょう」
 「うん。抱きついてもいいかな? スベスベして気持ちいい」


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