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嘘つきな I LOVE YOU
【理想の恋愛 恋愛小説】

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to Heart〜LOVE SICK〜-2

「……千優希?」

「ん?」

千優希が、くるっと俺の方に向きなおって返事する。

「好きだ。」

もう、ごまかさない。
お前の気が変わらないように、何回だって言ってやる。

「……恥ずかしいじゃん…。」

千優希が照れて俺の胸に顔を埋める。
―――やべぇ……。暴走しそうだ。俺、今すっげぇだらしない顔してるに違いない。

10年前、満開の桜の下で出会ってから、ずっとお前を見続けてきた。
制服を着てたあの頃から、お前はぜんぜん変わってない。
素直なとこ、何にでも一生懸命なとこ、曲がったことが大嫌いなとこ、どんな人にも優しくできるとこ、あぶなっかしいとこ、俺にはちょっと意地っ張りなとこ、ちょっと強引なとこも、数えたらキリがないけど、お前の全部が大好きなんだ。

「今日、仕事急いで片付けてくるから、夕飯一緒に食べないか?」

「いいよ。………作っとくね。」

千優希が俺の胸に顔をうずめたまま、頷いた。
何ぃ〜っ!?手作りかっ!うれしすぎるっ……。
明後日からの出張が、地獄の試練に感じられる……。
―――ずっと、こうしてたい―――。

今まで生きてきて、今日ほど明日が来なければいいと思った日はない。
俺はやっと宝物を手に入れたんだ。

―――それでも容赦なく朝はやってくる。



みそ汁のいいにおいに、目を覚ますと、エプロン姿の千優希の後ろ姿が目に入った。


「……あっ、おはよ。ケンボー。朝ご飯できたよ。軽く食べれるようにちょっとにしといた。」

朝はいつも食べない俺を気遣ってくれたのか、かわいいおにぎりと味噌汁がテーブルに置いてある。

上手に焼かれた厚焼き玉子がキレイに並べられて、仲間入りする。


ロスなんかに行ってる場合なのか?俺!
明後日からの海外出張が急に重い足かせに思えてくる。
せっかく千優希と心が通いあったばっかりだというのに、1週間も会えないなんて。


「やっぱり朝は食べたくない?」

千優希が、心配そうに俺の顔をのぞきこむ。

「ごめん、そーじゃない。仕事のこと考えてて……。」

「あ、間に合う?フレックスだから大丈夫かなって思ってたんだけど。もっと早く起こせばよかった?」

それも違います。

お前はどうして平気なんだよ?
悔しくて、分かってほしくて、後ろから千優希を抱き締める。

「ちょっ、ちょっと!?ケンボー!?」

サラダを運ぶ途中に自由を奪われ、千優希があわてて振り返えろうとする。
そんな些細なしぐさもかわいくてしかたない。
1週間も会えないなんて地獄だ。


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