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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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蓮と巴と黒崎-1

「いたたっ!」
「あぁ、ゴメン強すぎた。」

私とそして隼人の勤めている運送会社の休憩室。どうやら彼が作業中にうっかり倒してしまった荷物に衝突し、足を捻挫してしまったらしく。

「全く、仕事中にボーとする何て駄目だよな!」
「……。」

無邪気な顔で誤魔化す。

確かに彼はこの所あまり仕事に集中しているようには見えない、ボーとしている…と言うよりは気力がないように見える。

今までは進んで仲間の助けになっていたというのに、最近の彼は……。

……

きっと、ううん間違いなく私のせいね。

別荘での騒動以来、彼はいつもの精がまるでなく、まるで魂が抜けているようにさえ見えてくる。

「なぁ、巴。」
「っ!」

捻挫した足をしゃがんで包帯で巻いている私にソファーに座る彼がポツリと口を開く。

「俺の事、嫌い?」
「え…いや。」
「じゃー好き?」
「……。」

子供みたいな単純な質問をぶつけてきて、思わず口を濁らせ。

「いや、好きとか嫌いとかそういう訳じゃ。」
「誤魔化すなよっ!本当は分かってるんだろっ!?」
「っ!!」

確かに、その通りだ、……けど。

「ゴメン、怒鳴って。」
「……。」

本当は顔何て合わせたくもなかった、彼と同じこの職場に足を運ぶのだって考えただけで億劫だ。

けどそうなったのは他でもない自分の責任だ、それにいつまでも蓮か隼人かで悩んでいる自分が存在するのも嫌だ。

蓮か隼人か…、いやもう答えは出ている。

そう思うと飾り気のない少し抜けてるけど楽しい無邪気な蓮の笑顔が脳裏に浮かぶ。

だから、今目の前にいる人は…。

「私、やっぱりアンタを好きにはなれない。」
「っ!」

ハッキリ言った、けどしょうがない白黒つけないとお互いにとってメリットがない。

「……。」

ショックを受け、顔面を思いっきりグーで殴られたように苦い顔をする。

「……………やっぱり、アイツの事を。」
「……。」

無言で頷く、すると。

「っ!」

まだ包帯も巻ききれていないにも関わらず、バッと私の両肩を乱暴に掴み、その力強い腕力になすすべもなく、ベットに押し倒され。

「隼人…。」
「………。」

その顔は激しい憎悪に満ち溢れていた。

今にも殴り掛かりそうな感じだったけど。

私は怯えるでもなくゆっくりとした口調で彼に言う。

「…殴りたきゃ、殴りなよ。」
「っ!」

私はそれだけどの事をしたんだから。

「おーい二人共、まだ治療掛かってるのかー?」
「っ!!」

扉の向こうから上司がノックする音が鳴り響き。

ハッとした彼がすぐさま私を解放し、中ので何が起こったのか知られたくないのか、素早く自分で包帯を巻き、上司にいつも通りの口調で返事をし、逃げるようにこの場を去って行った。

隼人…。



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