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シルビア
【青春 恋愛小説】

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シルビア-24

 「誰がそんなこと聞いてんだよ。姉ちゃんのトイレなんかどうだっていいんだ。僕は母さんのこと言ってんの」
 「母さんの服もじゃらじゃらしてるから大変かもね」
 「何が?」
 「トイレの床に引きずりそうじゃない」
 「あのね、トイレのことはこの際どうでもいいの。田丸が来た時にどうにかもう少しマシな服着て貰うことは出来ないかって言ってるんだよ」
 「ふふふ、ちょっとからかっただけよ。分かってる」
 「人が深刻に悩んでるのにからかうなよ」
 「でもこの服私の髪の色に似合ってるでしょ?」
 「ああ、似合ってる似合ってる」
 「心がこもって無いな。私の協力が必要無いみたいね」
 「すごーく似合ってるよ。金髪に金色の服なんてもう最高。それにおっぱいもあそこも形がそのまま出てるし。裸に金粉塗ったみたいで凄く斬新だよ。只で金粉ショー見てるみたいな気がする」
 「もういいわ。竜太郎とは美意識が違うからしょうがない。母さんのことはどうにか考えて上げるから」
 「うわー、姉ちゃん有り難う。僕は姉ちゃんの弟に生まれて本当に幸せだよ。何て恵まれてるんだろう」
 「何よ、心にも思って無い癖に」
 「思ってるよ、本当に。だからそんな服着てても一緒に歩いてるだろ」
 「それってどういう意味なのかしら」
 「つまり・・・、余りにも美しいと女性だと男は怖じ気づくんだけど、姉弟愛に溢れた僕は勇気を奮っているという意味だよ」
 「男が怖じ気づくんじゃなくて竜太郎が怖じ気づくだけでしょ?」
 「まあ、そういうことかな」
 「それでいつ来るの?」
 「いつでも呼べば来るよ」
 「犬みたいね」
 「そうなんだ。持てるって辛いことだね」
 「何言ってるの。1回やったくらいで」
 「あ? ああ、まあ」
 「それともあれから又やったの?」
 「あれからは会ってない」
 「会ってないって毎日学校で会ってんでしょ?」
 「ああ、学校では会ってる」
 「学校は駄目よ、分かってるわね」
 「何が?」
 「学校でやったりしたら駄目よ。体育館の片隅でマット敷いたりしてやるんじゃ無いのよ」
 「馬鹿。そんなことする訳無いだろ。僕達は健全な付き合いなんだ」
 「別に不健全でもいいけど、見つかった時恥ずかしいでしょ? 公園のベンチでやったり、姉ちゃんはああいうの大嫌いよ。みすぼらしくて厭だわ、ホテル代が無いみたいで」
 「公園でやるのは人に見せつけたくてやるんじゃないの?」
 「竜太郎も見せつけたくてやったの? 公園で」
 「まさか。そういうことやる人の心理を分析しただけだよ。僕はそんなことやる訳無い」
 「セックスっていうのはね、人に見せるもんじゃないのよ」
 「じゃその服装は何なの?」
 「服装はセックスじゃないでしょ?」
 「殆ど変わりないと思うよ、その服装は」
 「竜太郎、姉ちゃんのこの服装見てセックスしてるとこ想像してんの?」
 「まさか。そういう男もいるんじゃないかって言ってるだけ」
 「そうかしら? そうだとしたら凄いことね」
 「今頃分かったのかよ」
 「服がそれだけのイメージを喚起できるなんて凄いと思うわ。やっぱり私のセンスの勝利だわね」
 「全然分かってないな」
 「何が?」
 「いいんだ」
 「やっぱり日曜か祭日っていうことになるんでしょ?」
 「何が?」
 「だから純子ちゃんの来る日よ」
 「あそうか。そうだよ勿論。学校があるもの」
 「それじゃ私も家にいるっていうことになる訳ね」
 「そうかあ、其処まで頭が働かなかったよ。ダブルパンチだ」
 「何?」
 「いや、こっちの話」
 「どっちの話?」
 「つまり独り言」
 「それで母さんには、もう少し明るく清潔なイメージの服を着て欲しいんでしょ?」
 「そうそう、そうなんだ」
 「それで私にはもう少し地味で暗い感じの服装にして欲しいのよね」
 「うん、分かってるじゃないか。全くその通りなんだよ」


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