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祭りの日の儀式
【若奥さん 官能小説】

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互恥明永続-4

 『恥ずかしい』その一言を遥かに超える興奮に、みなみはゾクゾクしていた。
 またしても、女の部分が首をもたげ始めている。
「スケベな自分を全部見せちゃいなよ。楽だし、気持ちいいことに集中できるわよ」
 奈々子の言葉が頭の中を駆け巡る。
 これまでは葛藤があり、カラダは感じていながらも、頭はどこかで冷静だった。
 しかし、今は、カラダの快楽を押しとどめることが出来ない。
 本能のまま、今までのように優等生というブレーキによる抑制がなくなった。
「な、な・・・舐めてぇ」
 みなみは無意識に口走った。
 臣吾の舌が、みなみのオマンコに吸い付いたのは、みなみの発した言葉と同時だった。
「ぁぁぁぁぁぁ」
 今までの甲高い甘い声ではなく、腹の奥底から込み上げてくる低い喘ぎ声。
 みなみの声とは思えない低い声に、臣吾は一瞬驚いたが、それはいい意味での変化だと悟り、膣口付近に溜まった白く濁った淫汁を吸いあげた。



 熱い一戦が終わり、気怠さが残ったまま、ベッドに倒れこんでいるみなみ。
 臣吾は、みなみの髪を撫で、横に添い寝した。
 それに気付いたみなみは、臣吾の胸に顔を埋めた。臣吾も髪を撫で続ける。
 ほどなくして、臣吾は例の件を話し始めた。
「ねえ、みなみ。ちょっと話があるんだけど」
「なぁに」
「家のことなんだけどさ、ちょっと変な話だから、嫌なら嫌ってはっきり言って欲しいような内容なんだ」
「急にどうしたの」
 急に真剣モードになった臣吾に、みなみは少し構えた。
 同居の話かとみなみは思った。
 ほぼ同じ敷地と言ってよい範囲に、臣吾の祖父母夫婦、両親が住んでいる。
 だが、互いに干渉を嫌い、同居の話など一度も出たことはなかった。
 では、介護の話か。
 祖父母夫婦は、とうに80歳を超えている。
 数日前には元気な姿を見掛けていたが、年齢が年齢だけに、急に介護が必要な状態になっても不思議ではない。
「今日、祖父ちゃんに呼ばれて、先祖からの言い伝えを聞かされたんだ」
 そう言って、須永家の言い伝えの内容を語り始めた。

 一通り内容を聞いて、みなみは唖然とするしかなかった。
「嫌だよな。そんなわけのわからないこと」
 よっぽどビックリした顔をしていたのだろう。みなみの顔を覗いた臣吾が、心配そうに言ってくれた。
「う、うん。嫌とかそういうことより、驚いたっていうか、はぁって思っちゃった」
 それはそうだ。
 ご先祖様のご所望が、とびっきりなフェチプレイだなんて、誰だって想像出来やしない。
 東京の友人で、嫁姑の関係が上手くいっていない友人から、『必ず男児をもうけ、後継ぎを作るのが、我が家に嫁いできた女の役目』と、しつこいぐらいに言われていることを聞いたことがあった。
 もしそのような無理難題だったらどうしようと思っていたが、そんな内容じゃなくて良かったと思ったところだった。
 この話も、そんなに簡単な内容ではないのだが、性を開放することに躊躇いが少なくなったみなみからすれば、フェチプレイ程度ならば、後は踏ん切りだけだなと思うようになっていた。
 寧ろ、倒錯してしまうような変態的行為にでさえ、興味を持てるようになってきている自分がいる。
「おかしいなとは俺も思うよ。善兵衛さん。ああ、俺のひぃ祖父ちゃんね。その人の自作自演なんじゃないかとも思えるしね」
「でも、本当かもしれないんでしょ」
「そこは、何が本当なのかは、今となっては証明のしようがないし」
「もし、その言い伝えに従わなかったことで、幸せじゃなくなっちゃたら、それは嫌だなぁ」
「そりゃそうだけど、フェチのカミングアウトを子孫に強要しているみたいで、何だか腑に落ちないんだよ」
 本当なら、臣吾がみなみを説得する立場なのだが、何故かみなみの方が積極的に受け入れしているように見える。
「私だって恥ずかしいよ。だって、その・・・いやでしょ。あそこ。いい匂いではないじゃん」
「それはお互い様だよ。俺だって・・・さ」
 お互いに、そのものズバリな表現はしないけれど、言いたいことはわかる。
 二人は少し俯いた。
「でも、そのくらいのことで幸せでいられるんなら、わたしはやってもいいよ」
 意外な一言だった。
 フェチプレイは、その人の趣味趣向によって、受け入れられない内容ならば、どこをどうしても無理な話だ。
 そのぐらい、癖の壁は高い。
 みなみの可憐な部分しか知らない臣吾としては、みなみにはフェティッシュなぞ持ち合わせていないものだと思っていた。
「どうしたの?いつものみなみじゃないみたい。うぅん、決して悪い意味じゃなくて、いつになくHに積極的と言うか・・・・・・」
 みなみの大胆な発言に、戸惑う臣吾。
「奈々子さんのアドバイスを受け入れてみたの。旦那を信頼しているなら、積極的にスケベになりなさいって。もっともっと深い愛情を持ち合えるよって言われたの」
 さすが奈々子。単なるスケベ女ではない。
 底抜けにスケベな女ではあるけれど、誰にでも安売りするわけではない。
 正直なだけの奈々子のアドバイスは、いつでも的を得ている。
「でも、臣吾に悪い気がするし・・・・・・」
「悪いって?」
「だって、あれだよ。何日もキレイにしないんじゃ、きっと、あの・・・・・・すごく臭くなってるはずでしょ。そんなところを舐めさせるなんて・・・・・・嫌でしょ?」
「でも、それは俺も一緒だって。みなみは平気なの?俺の臭い所をさ」
 黙ってしまうみなみ。
 少し間を置き、意を決して口を開いた。
「私は・・・もしかすると、く、臭い方が興奮するかも」
「へ!?」
「あぁん恥ずかしいこと言っちゃった。ごめんね、変な女って思わないでね。もぉ〜やだぁ」
 そう言って、タオルケットを頭からかぶり、背を向けてしまった。



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