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狂【序章】
【サイコ その他小説】

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狂【序章】-5

『何だ?』

朝から何回も震える携帯の振動で目が覚めた。
寝呆け眼で確認すると山のようなほぼ同じ内容のショートメール。

『おはよう 起きた?』
『ねぇ 起きて?』
『まだ夢のなか?』
『遅刻しちゃうよ』
『ねぇ 起きた?返事してよ』
『ねぇ 起きた? ねぇ起きた?ねぇ起きた?ねぇ起きた?ねぇ起きた?ねぇ起きた?』
『返事して』

何だコイツ。頭おかしいのか?

何の返事も出さずにショートメールを拒否した。





ガラッ

『ぁ…ぁの…』

朝一で委員長程うっとおしいものはない。

『あ?』

メールの事もあって不機嫌な俺はあからさまに悪態をつく。

『ぉは…よ‥』
『あー』

段々小さくなっていく最後の言葉まで待っていられず顔も見ないで椅子に座る。
イライラは納まらない。

背中に刺さる視線は後ろを見なくても 今にも何か発しそうだった。
居心地の悪さに更にイライラが募り席を立ち 屋上へ向かう。



『うぜぇー』

屋上で大の字に転がって青い空を見る。
白い雲は消えてしまいそうな程に薄く 強い日差しを邪魔せずに俺へ届ける。

ブブブ ブブブ

ポケットの中で俺を呼んでいる。
携帯を開くとメールが届いていた。
知らないアドレス。
更にそれを開く。

『次はメール全てを拒否にする?隆士くん』

毛穴が塞がって体毛が逆立っていくのが分かる。

『誰だ』

携帯に問う。

オマエハ一体誰ナンダ―。


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