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お母さんじゃない
【母子相姦 官能小説】

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お母さんじゃない-5

(5)

 母がパートに出る。父から聞かされ、
「お前も高校生だから隠さず話しておくけど……」
別れた母親の借金を父がすべて背負っていることを知った。
「いま生活に困っているわけではない。先のことを考えてお母さんが働いてくれるといってるんだ」
ピアノ教室も生徒はまだ少ない。開いている日だけパートで働くという。
「週に2日だけ。夕方には帰ってるから。裕太、いい?」
駅前の医院の事務の仕事だといった。
「来週から、火水」
裕太に異論はない。優しく申し訳なさそうに微笑む母に彼は頷いた。

「あの生徒、もう練習に来ないの?」
母がパートに出ると決まって頭に浮かんだのはめぐみのことであった。
(留守の時に来れば、ゆっくり2人で過ごせる……)
「練習したいって連絡きたけど、レッスンのない日だとあたしがいないし。裕太、いやでしょ?知らない子が来るの」
「ううん、別にいやじゃないよ」
「そう、それじゃ……連絡しようかな」
「うん。かまわないよ」
無関心を装いながら期待に胸がふくらんだ。 
   
 めぐみへの想いとともに裕太を悩ませていたのは、父と母の夜……。注意していると、かなり『行為』が行われていることがわかった。特に父が長距離の泊まりから帰ってきた夜はまちがいなくセックスをする。
「疲れたでしょ?」
「ああ、ゆっくり寝られないよ。安いビジネスホテルだからな」
「早めに寝たら?」
食事中にそんな2人の会話がある。それとなく様子をうかがっていると、母の片付けもそそくさと早い。
 父が風呂に入り、出て来ると、裕太は2階へ行く。母の声が背中に聞こえる。
「お父さん疲れてるから早めに休むからね」
「わかった」

 そっと階段の下まで行き、居間の電気が消えていると寝室に入ったことになる。
抑えた声と動く気配を目を閉じて感じ取る。
(ああ……セックス……)
父にも母にも嫌悪感は覚えなかった。ただ、母のあられもない姿を想像して昂奮した。
(亜由美……)
ふだん違和感なく母として接していながら、心のどこかに『女の亜由美』が潜んでいた。

 思えば彼女が刺激となって精通が誘発されたようなものだ。美しく、若く、やさしい亜由美が、母親とは異なるイメージとして彼の心に宿ったのは仕方のないことであり、むしろ自然な心情といってもいい流れであっただろう。

 めぐみが来る。
「火曜日、10時ごろ。この前と同じにね。言ってあるから」
「うん、エアコンかけとくよ」
「ありがと。朝から暑いからね」
母が何気なく、
「裕太、何だかうれしそうね」
どきっとした。
「え?別に、うれしくないけど……」
自然と表情に出ていたのか。顔が熱くなるのがわかった。
(こんどこそ、誘ってみよう)
迷いはなかった。想いが一段と強くなって決意になっていた。
 




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