投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

京子
【青春 恋愛小説】

京子の最初へ 京子 2 京子 4 京子の最後へ

京子-3

 「学校で? さあー、誰だろう?」
 「誰だろうって私が聞いてるんだから、私に聞き返すんじゃないの」
 「分かんないな。考えたこと無かった」
 「それじゃ日曜日うちに来るまでに考えておきなさい」
 「え?」
 「えじゃないの」
 「行かなきゃいけないのか?」
 「私がおいでって言ったらぐだぐだ言わずに尻尾振って来ればいいの」
 「尻尾なんか無いもん」
 「当たり前よ」
 「行って何するの?」
 「私とセックスすんの」
 「え?」
 「セックスって陽介知ってる?」
 「馬鹿にすんな」
 「キスすることじゃ無いんだよ」
 「そんなこと知ってる」
 「へえ、やったことあんの?」
 「馬鹿にすんな」
 「え? あるの?」
 「ある訳無い」
 「あー、驚いた。そうだね、ある訳無いよね」
 「木村って不良なのか?」
 「あんたと喋ってると面白いからからかいたくなっちゃうの。セックスは冗談だからともかく来てね」
 「行けない」
 「ナニ?」
 「だって木村んち何処だか知らない」
 「あ、そうか。あんまり驚かすんじゃないの。後で地図書いて上げるから」
 「でも行って何するんだよ?」
 「だから私の誕生日だって言ったじゃない」
 「だから何するの?」
 「陽介の誕生日いつ?」
 「来月の7日」
 「その日何する?」
 「さあ、別に何もしないと思う」
 「思うじゃなくて、去年は何したの?」
 「何もしなかった」
 「何かご馳走作って友達呼んだりしなかった?」
 「しなかった」
 「誕生日なのに?」
 「うん」
 「そうか。それじゃ誕生日ってこんなことするんだって教えて上げるからうちに来れば分かるよ」
 「何時?」
 「5時までにいらっしゃい」
 「5時だと行けない」
 「何で?」
 「妹迎えに行かないといけないから」
 「何処に迎えに行くの?」
 「病院」
 「病院?」
 「うん」
 「何処か悪いの?」
 「もう治ったから迎えに行くんじゃないか」
 「あ、それじゃ入院していたの?」
 「うん」
 「何で?」
 「盲腸」
 「なんだ。盲腸か」
 「うん、大したことない」
 「お母さんと姉さんは?」
 「母さんは仕事。姉さんは撮影」
 「あっ、そう言えば陽介の姉さんモデルだったんだよね」
 「うん」
 「それじゃ少し遅れてもいいから来なさい」
 「うん。いいのか」
 「いいよ遅れたって」
 「木村が退屈するかと思って」
 「何で?」
 「俺が行くまで」
 「しょってんじゃ無いの」
 「え?」
 「あっ、そうか。陽介が来るまで私が1人でポツンとすることも無く待ってると思ったのね」
 「うん。別に退屈しなければ構わないけど」
 「退屈するわよ、それは。退屈するだけじゃなくて寂しくてまた泣いちゃうかも知れない」
 「子供なんだな」
 「うん。だからなるべく早く来て」
 「うん。分かった」


京子の最初へ 京子 2 京子 4 京子の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前