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京子
【青春 恋愛小説】

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京子-23

 「さて、何を買って貰おうかしら」
 「あ、そうだね」
 「私ね。ブラジャーを買って貰おうと思ってるの」
 「ブラジャーって下着のブラジャー?」
 「上着のブラジャーってあるの?」
 「え? 知らないけど」
 「薫には何か別の物を私が選んで上げるからね」
 「別のブラジャー?」
 「違う。だから別の物。財布とか何か」
 「木村ブラジャー持って無いの?」
 「持ってるわよ」
 「それじゃどうして?」
 「いくつあったっていいでしょ、下着なんだから。陽介にブラジャー買って貰うのは特別の意味があるのよ、分かる?」
 「さあー」
 「下着なんて人に見せるもんじゃないから、陽介に買って貰えばそれは陽介以外の人は誰も知らないでしょ? だから陽介だけが知ってる私の秘密ってことになるの。それに陽介は大きなおっぱいが大好きだから私のブラジャー買えば私の胸がこんなに大きいんだって良く分かるでしょ?」
 「うん」
 「此処にしようか」
 「俺此処で待ってる」
 「陽介が選ばなきゃ意味無いじゃない」
 「でもこんな店に入るの恥ずかしい」
 「平気よ。見てごらん。ほら、カップルで買い物してる人だっているじゃない」
 「でも俺厭だ」
 「子供みたいなこと言わないの。隠れて巨乳事典なんか見てる方がよっぽど恥ずかしいことなのよ」
 「うん。でも」
 「デモもストも無いの」
 「あっ」
 「ほら。サイズは揃ってるから陽介はデザインと色を選べばいいのよ」
 「何でもいい」
 「何でもいいこと無いでしょ。色は何色が好きなの?」
 「赤が好きだ」
 「赤いブラね。何かの写真で見たのね」
 「別にそうじゃ無いよ。写真なら黒だって白だってある」
 「そうか。それじゃ赤にしよう。デザインはね、私の胸は大きいから限られてしまうんだけど」
 「デザインなんてどうでもいい」
 「そう。それじゃこのレースのでいい?」
 「うん。それでいい」
 「ちょっと待ってね。試着するから」
 「えっ? ブラジャーなんて試着するのか?」
 「そんな大きな声で言わないの。恥ずかしいでしょ。ブラって試着しないと駄目なの」
 「それじゃ俺外で待ってるから」
 「こっち来なさい」
 「何処」
 「この中で試着するから、陽介は此処で待ってなさい」
 「俺外で待ってちゃ駄目か?」
 「駄目。此処を動いたら駄目よ。分かった? 直ぐだから」
 「うん。早くしてな」
 「直ぐよ」
 「・・・」
 「其処にいる?」
 「いるよ」
 「どう?」
 「あっ」
 「似合ってる?」

 試着室のカーテンを開けた京子は上半身裸でブラジャーをしているだけだった。京子は背の高い陽介と殆ど変わらないくらいの上背がある大柄な少女で日頃女を意識したことは無かったが、ブラジャーから透けて見える胸の膨らみやブラジャーのベルトに締め付けられている胸郭の柔らかな肉の盛り上がりなどは正に女そのものと言う以外に無い体であった。陽介が今までに見たどの写真にも負けないくらい大きな乳房であることはブラジャーをしていてもハッキリと分かった。制服の上からでも京子の胸が大きいことは知っていたが、こんなに大きいとは思わなかった。それにブラジャーの中央に出来た胸の谷間はクラクラする程魅力的だった。陽介は言葉に出して返事することも出来ず、ただ何度も頷いて似合っている旨返事した。


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