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良助
【青春 恋愛小説】

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2 順子-3

 「良介、何やってるの?」
 「子猫拾った」
 「またあ?」
 「うん」
 「それで何匹目なの」
 「だって放って置いたら死んじゃうだろ」
 「それはそうだけど、困ったわね」
 「1人で生きていけるようになれば自然に出ていくからいいんだ」
 「御近所から苦情が出なければいいんだけど」
 「苦情って?」
 「野良猫が増えて困るって」
 「母さん、これは野良猫じゃない。順子っていう名前なんだ」
 「また。良介、拾ってきた猫に女の子の名前付けてないで本物の女の子と付き合いなさい。その方がよっぽど健全だわ」
 「付き合ってるよ。付き合ってる子の名前付けてやるんだ。そうすると覚えやすくて間違えないだろ」
 「それじゃ今まで付けた名前、全部付き合ってた女の子の名前なの?」
 「うん、付き合ってたという程でも無いけど」
 「母さん、良介は今受験勉強に打ち込まないといけない時期なんだよ。本物の女の子と付き合いなさいなんて、母さんがそんなこと言ってちゃ駄目じゃないの」
 「でも良介は勉強しても大して変わらないから」
 「あーあ、母さんがそんなこと言うから良介が居直っちゃうんだ」
 「居直ってないよ」
 「そんなら粕谷君の所なんて行く暇無い筈でしょ」
 「ちょっと息抜きしたんだ」
 「息抜きばっかりしてたら空っぽになっちゃうよ」
 「そしたら思いっ切り空気吸うから」
 「馬鹿。空っぽになるのは頭だよ」
 「さあーて、空っぽの頭に詰め込んで来るかな」
 「ちょっと待ちなさい」
 「勉強しないと」
 「いいからこっちおいで」
 「暴力はいかん。話せば分かる。板垣退助。違うかな? 誰だったかな」
 「何、訳分かんないこと言ってんの」
 「勉強のし過ぎですぐこうなる」
 「良介、今田宮さんと付き合ってんの?」
 「どうして?」
 「だって付き合ってる子の名前猫に付けるんだって言ったじゃない」
 「だから、どうして?」
 「大和田さんはどうしたの?」
 「どうもしないよ」
 「もう付き合って無いの?」
 「そんなことも無い」
 「それじゃ2人と付き合ってんの?」
 「うーん。付き合ってるという語の定義を述べよ」
 「何?」
 「付き合ってるという意味によるな」
 「どういう付き合いしてんの?」
 「それは循環論法である。違うかな、あっ、問いをもって問いに答えるだ」
 「良介、息抜きのし過ぎで頭がおかしくなったね」
 「姉さんは鬼だね。鬼の写真見てため息ついてる粕谷の気が知れない」
 「何?」
 「こっちの話」

 「あんまりギシギシ言うのお止しなさい。あの子はあんたとは違うんだから」
 「違うから余計言わないと駄目なのよ」
 「勉強より母さん良介の交友関係が心配だわ」
 「女の子?」
 「うん」
 「それは大丈夫よ。あの学校に変な女の子はいないから。むしろ向こうの親が良介みたいなのと付き合って心配するくらいでしょ」
 「違うわ。そういうことじゃなくて、普通に女の子とつきあえるような男の子になってるのかということよ。猫に女の子の名前なんか付けてるからそれが心配なのよ」
 「それは心配無いんじゃないかな。猫の名前が裕子から順子に変わったから」
 「それはどういうことなの? あんた裕子とか順子とかいう子知ってるの?」
 「うん、2人とも文化祭の時会ってきた」
 「そう。それでどんな子だった?」
 「裕子って子は母さんより世話好きな子だね。あれと付き合ってるといつまでもマザコンから抜けられないけど、順子って子は普通だよ」
 「そう? そっちの方面は母さん全面的にあんたに頼ってるからお願いね。もう母さんなんか時代が違うから今風の付き合いなんて分からなくて」
 「うん、心得てる」


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