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蛍の想ひ人
【女性向け 官能小説】

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だから―――
バレンタインが近づいて来て
2人で海に行きたいと由布子さんが言いだしたときも
さほど疑問は抱かなかった。

「この寒いのに?」

そう言った俺の声に優しく笑って

「一緒に行きたいの」

小さい声でそう言った。

俺はきっと、イヤ確実に浮かれていたんだと思う。
何年も恋い焦がれてきた女性と付き合いだして

何もかもが上手く行っているんだと思い込んでいた。

例え薄氷の上を歩いているような幸せだったとしても
それでも俺は幸せだった。

例え
それが俺の思い込みだったとしても。

酔いは醒める。
確実に。

俺はそのことに気が付きもしなかった―――


それは突然。でも確実に酔いは醒めた。


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