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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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持つべきものは-9

「はぁー、今日も疲れたなぁー。」

この日は俺が所属するバスケ部が長引き、外に出る頃にはもう日が沈んでいた。

俺は時より利用するバスで帰宅する事にした。

…今日の献立は何にしようか、今朝のカレーがまだ余ってたな。それと麦茶、いけね!袋買うのすっかり忘れてた。

学校にいる時はあまりこんな事は考えないのだ。俺だって本当は家の事何かいちいち考えないで部活や勉強、それに友達の事何か考えていたいのに…。

物心つく頃からすっかり半強制的に大の男が家事なんぞしぶしぶやって。最初の頃は別に親父に似た訳じゃないが家事何て女の仕事だと思い、やりたくもないのだが、他に誰がやるかと言う事で。

近くで小さい子供を抱いた母親が居る。

「どうぞ。」
「有難う!」

俺が席を譲るとホッとしたように席へ腰を下ろす。

「……。」

和気あいあいとする母と子。

微笑ましい筈なのになぜだか胸が締め付けられる。


それから家に着く、すると。

「あれ?」

明かりが点いている。

また水原さんだろうか。

昨日の事を、いやここ最近の事を考えるとそれしか頭に浮かばない。

何だかほっとするな、学校では楽しくしていて、家に帰ると部屋が真っ暗、嘗て俺はそれが嫌で嫌で堪らなく蓮の家に泊まったり、部活やバイトをワザと遅くまで延長してもらったりしていて。

けど、最近は家に帰る事も家事をする事もそんなに嫌じゃなくなった。それはきっとあの水原さんのお陰かもしれない。

寂しくなったらいつでも電話しても良いと、蓮は言ってくれたけど、だからと言って何度もする訳にもいかない…、寂しいからって電話しまくるって女子か…。

それに例え電話で話せたとしても傍に居る訳でもなく、それならばお隣さんに彼女のような人がいたら。

水原さんのお陰で精神的に安定しているのだろう。

俺も、気づかないうちに彼女に惹かれているのだろうか。

「ただいまー。」

そうこう考えに老けつつ扉に手を掛け、中へ入る、するとそこには。

「水原さーん?また家の事をしてくれたのか?」

どーせまた彼女が昨日みたいに夕飯でも作ってくれていると思って顔をあげると。

えっ?



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