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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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持つべきものは-3

「はぁー。」
「巴ちゃん。」
「はぁーー。」

私は居ても立っても居られず一先ず巴ちゃんを放課後いつものドーナツ店へ誘った。

「はぁーーー。」
「…んもぅやめなよ、さっきからはぁーばっかで、同じ台詞ばっかじゃ飽きるでしょ。」
「はぁーーーー。」

駄目だこりゃ。

結局の所私も彼女も人を傷つけてしまい、それをお互い分かった所で何も解決策が見つからず、一日中ボーと過ごしてしまい、授業もまるで耳に入ってこず、部活も幸い今日は休みだから良かったけれど。

茜ちゃん…どうしてるかな。

彼女があんな顔で私たちに怒る何て初めてだよ。

「隼人、…きっとまだ許してないだろうなぁ。」
「巴ちゃん。」

彼女もまた別荘の一軒で未だ悩んでおり、一条君と顔を合わせると凄く気まずそうで。

私自身もどうしていいのか分からず、とりあえず。

「かんぱーい♪」

訳も分からずドーナツを手に取り、乾杯を促す。

「んー。」
「あ…。」

けど私の真似をしてくれず、一人バカみたいになっていて。

「…ごめん。」

はぁー力が一気に抜けた。

「ううん、こっちこそ!…食べよっか?」
「っ!……うん!」

どうやら少しは回復したようで、お互いにドーナツに手をつける。

「うんー、やっぱここのドーナツは美味しいね。」
「うん!でもどーせならコーヒーも飲みたかったね。」

気力もなかった私と彼女は飲み物を注文し忘れて。

「私たち、これからどう生きればいいんだろう?」
「えっ?」

突然哲学的な事を言い出す彼女。

「…そんな、どう生きるって。」
「だって!私は、私は…。」
「巴ちゃん…。」

声を荒げ、この前の別荘での出来事を思い返しそして悔やむ。

「どうして、あの時アイツの事を…。」
「そんな、過ぎた事をいちいち。」
「でも!…それ言ったら若葉だって。」
「ううっ。」

お互いそれで誤爆し、目線をテーブルに向ける。

やっぱ、問題は深刻なのだろう。

少しは明るい方に持ってこようと思って誘ったけど全然駄目ね。

もう、どうしようもないと諦めて不味そうに好物を口にしようとしたその時。

「コーヒーとなります。」
「え…。」
「頼んでないですけど?」

突然店員が私たちにコーヒーを差し出してきた。そりゃこれから注文しようかなーって思ってはいたけど、まさかテレパシー?なーんて考えていると。

「あちらのお客様からです。」
「?」

すっと店員が一人のお客を指す。そしてその人物が私と目が合うとすぐさまこっちへ向かってきて。

「なーにしょげた顔してんだよ!」
「あなたは!」



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