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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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持つべきものは-11

「いらっしゃい…あ!」
「いよう!」

後日、風馬のバイト先に寄った。

「へぇー、パンが一杯あるなぁーなんでだ?」
「…それはここがパン屋だからです、それ以上の理由は必要?」
「お前、パン好きなのか?」
「それほどまでじゃ、たとえ焼き肉店で働く人が必ずしも大の肉好きとは言い切れない、そういう事だよ。」
「まぁー、確かにな、じゃー俺がもし自転車のサドル屋でバイトしたら?」
「……ははっ♪」

軽くスルーしやがって…、けど元気が戻ったそうで何よりだ。

興味津々に辺りをキョロキョロする。

「へぇーここイートインスペースもあるんだ。」
「うん、あっ良かったら食べてく?」
「いやいい!家に帰ったら妙子さんがご飯作ってるだろうし。」
「?」

見知らぬ人名をあげ、首を傾げる彼。

俺は昨日の、いやここ最近の俺と彼女との関係について赤裸々に報告した。

「…そっかぁー。」
「あぁ、だから彼女には感謝してもしきれないよ。」

自分の事のように微笑む風馬。

「で、今日はどうしたの?まさかそのお礼にここの不味いパンをプレゼントしに買いに来た訳でもあるまい。」
「おいおいっ!自分の店だろーが!もっとアピールしろよ!」
「じゃーこのメロンパンなんてどう?今なら友達割引きで半額だよ。」
「ほぉー、どうしよーかなー。」
「…買わない何て言うのやメロン。」
「……。」
「………。」

やばい、元気になり過ぎたか。若しくはバカな俺の友人のが感染したか。

「まっ、まぁーそれはさておき、俺お前に伝える事があって寄ったんだ。」
「何?」

人が周りにいなく、シーンとしてるのはこれ幸いだ、まっもうじき営業時間が過ぎようとしてるからだろうが。

俺の人生において大事な場面だ、こういう事は俺を応援してくれた友人に報告すべきだろうからな。

「佐伯、君?」
「……。」

深呼吸をし、そして言い放つ。

「風馬、俺…。」


                水原さんに告白する


次回、77話に続く。


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