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山ガール〜いたぶる
【鬼畜 官能小説】

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ちひろ―屈服-1

「ねぇ、さっきの人たちお酒臭くなかった?」
「そう。目つきもなんかいやらしかった」
「人の胸元なんかジロジロみてね」
「兄弟なのかな?なんか顔がそっくりだったよ」
「もう会うこともない人たちだから気にすることもないよ」
「そうね・・・。あっここだ。あの人たちが言っていた場所」
そこにはロープが張られ「この先通行禁止。迂回路をお進みください」と書かれた立て看板が立っていた。
「こっちだ」
ちひろが先に立って進んでいく。最初は歩きやすい道だったが、やがて下草が生い茂り、視界が利かなくなってきた。それでも要所要所には迂回路を示す矢印があり、迷う心配はない。と、突然目の前が明るくなった。体育館ぐらいの平坦地が広がり、中央には古びた掘っ立て小屋が立っている。その前には先ほどの男がニヤニヤしながらタバコをくゆらせ、そしてこちらに向かってくる。嫌悪感をいだきながら勇気を絞ってちひろが聞いた。
「あのー。下山路はどっちに行けばいいんでしょうか?」
「下山路?そんなものねえよ。ここで行き止まりだ」
手にはいつの間にかサバイバルナイフが握られていた。
 逃げなければ。そう思いながら2、3歩後ずさりしながら振り返った。もう一人の男がくわえタバコで近付いてきた。右手に持ったナタを肩に乗せ、しかも左手には通行禁止の立て板が付いたロープを持っているではないか。
「だましたのね」
それには答えず、ナイフを持った手で黒いキャスケットを弾き飛ばした。怒りに満ちたその表情を午後の陽光が照らす。
「改めて見るといい女じゃねえか。気の強そうなその顔、好きだぜ」
そこまで言うと男たちはなかば強引に背中のリュツクをはぎ取り、道端に放り投げた。そして男の一人が無理やりちひろを抱き寄せ、その唇を吸い始めた。突然の行為にちひろは必死に抵抗するが、男の腕力にはかなわない。唇を舐め回し、強引にこじ開け、侵入してきた男の舌をちひろは思いっきり噛んだ。
「グアッ!」
悲鳴ともうめき声とも解らぬ声を発しながら、男はちひろを突き飛ばした。
「どうした兄貴ッ!」
弟が心配そうにのぞき込んだ。
 血液混じりのだ液を吐きながら、そこに転がっているちひろの帽子で口を拭った。血は止まったようだが、舌先がひりひりと痛む。
「この女思い知らせてやるッ」
男はそこに立ち尽くしていまだ睨み付けているちひろの胸ぐらを掴むと、
ピシーンッ!
ふっくらとした若々しい頬に痛烈な平手打ちが炸裂した。
「ヒイーッ、な、何を・・・」
パシーンッ!
ちひろが言い終わらぬうちに強烈な第二打が頬を襲う。
「何をするんですかッ。暴力はやめてください」
情け容赦のない往復ビンタにちひろは震え上がった。何しろ親にも叩かれたことのない深窓育ちの令嬢だ。
 目に涙をいっぱい溜めて懇願するちひろの姿に、男の嗜虐心が燃え上がる。
「銀二、この女抑えてろ」
銀二と呼ばれたその男は
「おとなしくしていろよ」
と亜紀に命じてその場に突き倒した。よろよろと2、3歩歩いてうずくまった亜紀は、自身のハットを顔に押し当ててむせび泣いていた。
 ちひろに近づいた銀二はその両腕を背中に捻じ曲げ、手首を押さえつけた。農作業で鍛えたゴツゴツした大きな手だ。か弱い女の抵抗を片手で封じ込めることなど容易いことだ。
 ちひろは亜紀がフリーになったことを知っていた。逃げるなら今しかない。せめて亜紀だけでも・・・
「亜紀!逃げてぇ!私のことはいいから逃げてぇ!」
有らん限りの声を張り上げてちひろは叫んだ。もし近くに人がいれば、助けに来てくれるかもしれない。あるいは警察に通報してくれるかもしれない。0.1パーセントの可能性でもあればそれに賭けてみたかった。
 しかし亜紀は動かなかった。いや足がすくんで動けなかったのが正解だ。ただそこにしゃがみ込んで、手で顔を覆っているばかりだった。



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