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Time Capsule
【初恋 恋愛小説】

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第5章 20年越しのキモチ-3

「くっそー、全然ポイント取れないなぁ!」
額にうっすらと汗をかいてきた俊輔。夢中でラケットを振っていた。
「でも段々まともになってきたよ?ラリー続くし。」
「でも友美、まだまだ余裕じゃんか。」
「だって私は大学まで卓球やってたもん。俊輔は高校でテニスしてたんだよね?」
「えっ?何で知ってるの?」
「そうゆうのって風の便りで聞こえてくるもんなのよ。初めはバスケ部入ったけど男子部が休部中で女子に混じって練習してたけど3日で耐えられなくなってバレー部入ったんだよね?でも3ヶ月で辞めてテニス部に入ったんだよね?」
「そ、そこまで知ってんの!?恐っ!まさかストーキングしてたとか?」
「し、してないわよ!だから言ったでしょ、風の便りだって。女子はそいゆう話、好きだから。」
「そっか…。」
中学を卒業してから友美の事は何も知らない自分に対し友美は自分の事を少しは気にかけていてくれたのかなと思うと自分が情けなくなってしまう。勘が段々戻って来てだいぶボールを打ち返せるようになったトコだが、俊輔はそれよりも少し落ち着いて友美と話したい気分になった。

「ちょっと休憩しようよ。疲れたぁ。」
「うん。」
2人は自販機でジュースを買い椅子に座る。
「やっぱ楽しいなー、卓球は。また始めようかな。」
そう言ってジュースを飲む友美からは動いて体温で温められた香水やシャンプーの匂いが漂っていた。うっすらと汗をかいた姿が色っぽく見えた俊輔であった。
「…オッパイ、デカくなったなー。」
立派な膨らみに思わずそう言った。
「胸ばっかしか見てなかったんでしょ♪アハハ、高校の時に急成長してさー。中学時代からは考えられないぐらい立派になったの。」
胸を張り膨らみを強調して見せる俊輔。キャバクラなら迷わず揉んでいたところだ。

「でも凄いな友美は。ずっと卓球やってたしずっと中里と付き合ってたんだろ?1度も別れなかったの?」
「うん。そりゃあ喧嘩して少し会わなかったりした事はあったけど、別れる事はなかったわ。で、ゴールイン。今のところこれからも別れる予定はないかな♪」
「そっか…。良かったな。」
「そうね…」
友美が微妙に切ない表情を浮かべた事を俊輔は見逃さなかった。
「俊輔も良かったじゃん。大好きな恭子ちゃんと付き合えたんだし。それに同じテニス部の可愛い子とも付き合ったんでしょ?」
「え?ま、まぁ…」
一体どこまで自分の事を知ってるんだ…、そう思いながら頭をかいて答えた。


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