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魚精
【その他 官能小説】

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魚精-2

(2)

(何かが体に触れている……)
ふと感じて、
(なんだろう?……)
朦朧とした頭が働き出すまで少し時間がかかった。眠っていたようだった。

 安田はベッドに寝ていた。ぴったり寄り添っていたのは少女である。驚いて起き上がり、布団をはねのけて、さらに驚き、言葉を失った。少女は全裸、彼も裸だったのである。 
(誰?)

「よくお休みだったわ」
寝ていた?……何がなんだかわからない。……玄関で濡れた体を抱えて蹲っていた。それしか憶えていない。服を脱いだことも記憶にはない。
「私を助けてくれましたね」
(助けた?……)
「君は?」
「神の淵の者です」
(カミノフチ……)
「家の人は?」
「私一人です。神の淵にはたくさんいますけど」
何を言っているのか皆目わからない。わからないが、少女の言葉を突き詰める気持ちは消え失せていた。心が奪われていた。

(美しい……)
その裸身に魅入られていた。
透けるような白い肌。細い体、四肢。小さくなだらかな胸は揺れるまでに至らないささやかな膨らみである。
(少女……)
しかし、子どものように見えながら、微笑する唇には妖しく輝く紅色が滲んでいた。安田が陶然となったのはその唇の鮮やかな色に惹かれてしまったのかもしれない。肌の透明感と比して、まるで女性器のような生々しい光沢に濡れ、光っていた。

 息が弾み、安田は少女に重なっていった。長い髪が扇のように広がって彼を見上げる瞳が見開いて、静かに閉じた。唇が半開きになって赤い舌が覗いた。
(堪らない)
唇を重ねると少女の舌が差し込まれ、絡んでくる。微かに生臭い息が昂奮を煽る。細い腕が安田の背を抱き寄せて、華奢な体をくねらせる。その動きがたまらない。純真無垢な汚れなき肢体が悶えていると思うと狂おしいほどに昂揚して、彼の唇は白い肌をまさぐり、味わった。

(きれいだ……きれいだ)
乳首の桜色は滲んだ水彩のごとく淡く、仄か。ささやかな膨らみは柔らかく、彼の口中にまろやかに含まれた。
「はう……はう……」
少女のせわしない息遣いが愛おしい。
 
 扁平な腹部も小さく波打っている。滑らかな肌に口づけ、顔を埋めていく。酔いしれる心地であった。
 なだらかな下腹部にさしかかり、安田はときめきを新たにした。ペニスは極限の硬直に達していた。
(これは!……)
局部が白い。……無毛なのだった。発毛の兆しすら見えない。恥丘の麓から伸びた裂け目にはわずかな黒ずみもない。磨き抜かれたように眩しいほどの性器であった。
(子ども……)、とは思わなかった。『潤い』を見たのである。筋のような割れ目を満たす輝きは紛れもなく愛液であった。

 安田は磁器のような深味を湛えた白い性器にそっと唇をあてた。舌を差し入れる。温かなぬめりがとろりと絡んだ。
「ああ……」
少女のか弱い呻きとともに下肢が突っ張った。
 甘酸っぱいにおいが鼻腔を突く。
(女臭……)
少女から大人へと体がせめぎ合っている。熟しきっていなくても果実は果汁を含んでいる。

 脚が開いてきたのは少女の無意識の反応だろうか。快感を求めてさらなる舌の愛撫を招いている。安田の舌は溝を掬い、すかさず突起を捉えた。
「くうう!」
小鳩のような声音を発して少女の全身が反った。突っ張りながら震えているようだった。
彼も震えた。昂奮と感動が混濁となって一瞬、朦朧となったのである。
(大人への壁を越えようとしている)
まっさらな少女の体が、脱皮している。『女』へと変身する。
(俺が変身させるんだ)

 開脚した股間には赤い花弁が開いていた。可憐な花びらはまだ満開に至らず、だが、湿潤の様相は秘唇を十二分に満たしていた。
 にじり寄って先端を宛がって、割れ目のあまりに小さいことに瞬時のためらいが起こった。が、そんな杞憂はいらなかった。迎えるぬめりが亀頭を飲み込み始め、彼が押し込むと同時に少女の脚が腰に巻き付いてきたのだった。
「うう!」
呻いたのは安田である。
(きつい……)
侵入を遮るような抵抗があって、それは亀頭を押しつぶす隘路であった。
 のしかかって埋め込んだ時の少女の形相は般若に見えた。
「きゃあ!」
かっと開いた口、釣り上がった眉、歪んだ頬、貫かれた痛みなのか、女の海に飛び込んだ衝撃なのか。

 真っ白だった体は高揚しているせいか仄かなピンク色に染まりはじめていた。
 差し込まれたペニスを確かめて安田は歓喜した。
(いたいけな少女の体内に……)
彼女の性器は押し広げられて内肉がひしゃげて覗いていた。締め込む圧迫がある。そっと抜き差しをした、その時である。
(おお……)
漲った幹に鮮血を見た。そして、引き抜く度に真っ赤な血が泡立ちながら洩れてくるのだった。
(処女の血)
安田の興奮は一気にふくらみ、声を上げながら射精した。
「あああ!」
跳ねあがるペニスは少女を何度も突き上げ、痙攣に見舞われた体は制御が利かず、彼は少女に倒れ込むように重なっていった。
「ううう!」
噴出はなおも続いていた。

 少女の息遣いがヒューヒューと風のように聞こえていた。
 その音が寝息のように治まったのは結合が解けてしばらく経ってからである。

「友達が待ってるんだ」
「もう夜ですよ」
雨はまだ降り続いている。携帯は繋がらなかった。
「朝までいてください」
少女は立ち上がると裸身を隠しもせず、
「シャワーを浴びてきます」
(女の扉を俺が開いた……)
心なしか目元の辺りに艶やかさを感じた。
 

 


 


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