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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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-1

 淹れたてのコーヒーに、焼きたてのトースト――。
 心地よい日曜日、朝の香り。

「おはよー。朝だよー」

 寝室の扉を開けてゆきが入ってくると、薄暗い室内に柔らかな太陽の光が差し込んだ。
 朝食の支度ができていることやZがもう起きていることなど、てきぱきと伝える妻。
 屈託のない笑顔。この女性が昨晩あのようなどろどろの痴態を演じたとはとても信じられない。
 結局昨晩、ゆきとZはリビングでのセックスのあとも風呂で交わり、そしてなんと風呂を出てからも行為に及んでいた。

 タイトなデニムパンツでぱつんぱつんになった尻と太もも、くびれた腰、滑らかで女性的なプロポーションが逆光の朝日の中に浮かび上がっている。
 ベッドの中からゆきを手招きで呼び寄せ抱き寄せてキスをする。
「おはよう。昨日はおつかれさま……」
 昨晩のことをわざと思い出させるような言い方に「んーーだめ! いわないで」とキスで私の口を塞いでくるゆき。
 こういう反応がゆきは可愛い。
 いくらZと打ち解けてきたとはいえ、昨晩はあまりに大胆になりすぎた後悔があるのかもしれない。
 大胆といえば今このキスもそうで、本人は気がついていないようだが、ゆきの吐く息からは生臭い精液の匂いが漂ってきている。

 実はついさきほどまで、ゆきは私には黙ってZとのセックスを密かに楽しんでいた。
 朝起床したゆきが簡単に身支度をすませてキッチンに立ったところで、起きてきたZに迫られ、あっという間に挿入され犯されたのだ。
 寝室で寝ている私を気にしてか、ゆきは口に手を当て必死に喘ぎ声を抑えていたが、漏れ聞こえる音だけで何をしているかは十分にわかった。

 ゆったり穏やかな日曜の朝にそぐわない、激しいセックスだった。
 おそらくは最初は立った状態で後ろから犯されたのだろう。
 キッチン台に前かがみに組み伏せられデニムパンツとショーツをずり降ろされ大きな尻をがっちり掴まれて、男性器の挿入を許す妻。
 はじめこそ若干の抵抗を見せていたが、深く挿入されたペニスから与えられる快感には抗えず、やがて気持ちよさに身を委ねるようになる。

 妻の切ない喘ぎ声、肉と肉のぶつかりあう音、ニチャニチャと体液の混ざる音、何かに寄り掛かるガタゴトという騒々しい音――。
 目まぐるしく変化する行為中の音から、二人がさまざまな体位で交わっていることがわかった。下手くそなアダルトビデオのようなせわしない感じはまったくない。
 ゆきとZはひとつひとつの交わり方をじっくり楽しみ、男性器と女性器をどう擦り合わせるともっとも気持ちいいか探り合う。私とは一度もしたことのない濃密な性の共同作業に没頭する二人。
 糸をひくような甲高い喘ぎ声により、セックスの探求が成功したことを男に伝える。何度か迎えたオーガズムの合間合間に差し挟まれるクスクスという笑い声、そして湿っぽいキスの音が私の心を抉る。

 最後ゆきはたしかに「口に出して」とZに言った。自分の妻が他の男の精液を口におねだりしているところなど聞きたくなかった。そんな私の気も知らず、直後に口の中に何かが突っ込まれてえずく妻の声。
 今私とキスしている妻の口に、わずか十分前、別の男のペニスが突っ込まれドロドロの精液が注ぎ込まれていたのだ。
 ああもう聞かずにはいられない。ゆきが自分で言い出すまでは知らないフリを続けるつもりだったのに、口から精液の臭いをぷんぷんさせている妻に興奮が抑えきれなくなってしまった。

「さっき口に出してもらったものは飲み込んじゃった?」
 はっとした様子で笑顔のまま固まり、私の顔色を伺うゆき。
「えっとそれは……聞いてたんだ……よね?」
 ゆきの目が泳いでいる。
 今回私は、ゆきさえ嫌でなければいつ何をしても構わないと伝えてあったので、後ろめたさを感じる必要はもちろんないのだが、やはり朝から夫に内緒でという部分に罪悪感を感じているようだ。
 たしかに今朝のセックスは私に黙ってしたことなので「夫のため」「夫が喜ぶなら」という今までの建前が通じない。ゆき自身がしたくてした、夫ではない男とのセックス。それだけでもショックなのに、さらにこんな表情までされたら、なんだか本当に浮気をされた気分になってさらに興奮が高まる。
 少し虐めてやろうか。

「うん、ぜんぶ聞こえてた」
「……」
「寝てたらなんか始まっちゃって。びっくりしたよ」
「……ごめんなさい……」
「いいよ、大丈夫。Zのことだからそういうこともあるかなって思ってたし」
「……」
 じっと私を見つめ不安そうにしているゆきがもう可哀想になってきてしまった。私は基本的にゆきに甘い。
「Zに襲われたんだよね?」
「あの……朝キッチンでご飯の支度してたらいきなりZくんに迫られて……」
「拒否できなかったの?」
「ダメって言ったよ。でも強引に抱きしめられてキスされちゃったから」
「だから……?」
「……」
「もうエッチしちゃってもいいかなって思った?」
「うぅ……ダメだよね、やっぱり」
「別にゆきがそう思っちゃっても怒らないよ。仕方ないことだと思う」
「そうかな……なんだろう……うん」
「気にしないで」
「ありがとう。でも……ごめんね……」

 神妙な顔でこわばっていたゆきの表情が柔らかくなってきた。
 私が怒っているわけではなく興奮してこのような尋問をしていることに気がつき少し安心したのかもしれない。

「ほとんど抵抗せず受け入れてたからショックだった」
「そうだよね……」
「最後また口に出されちゃった?」
「うん……」
「飲んじゃったの?」
 一呼吸おいてこくりとうなずくゆき。
「俺のも飲んだことないのに」
「あのね、中と顔と口どこに出してほしい?って聞かれてそれで……」
「それで……?」


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