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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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別荘での戦い-2

悲劇はバス停で起こった。

俺は巴との楽しいひと時を身支度しながらワクワクと思い浮かべた、俺、ちゃんと肉焼けっかな、山とか行ったとしてもアイツ案外ビビりだったりして近くにスーパーもあるみたいだし、後で二入っきりで買い物して、それはまるで新婚夫婦みたい?……そうこう期待に胸含まらせ別荘に近いバス停があるらしく俺と彼女はバスで行くと決めた。

別に親に送ってもらっても良かったのだが万が一余計な事を聞かれていちいち散策されても嫌だし、とにかく彼女との時間を大事にしたくて。

荷造りを終え、後は巴が来てバスが来るの待つだけだった。

これから夢のような別荘での休日が待っている、そう考えただけでとても幸せな気分だった…。

「お待たせー!♪」
「おっ…大丈夫俺も今来たところだから。」

嘘、実際には溢れんばかりの想いを抑える事も出来ずに約束の時間よりも一時間も早く着いてしまった。

「っ!」

巴の姿を改めて眺め顔をホの字となった。

薄紫色のストローフロッピーハットにそこに美しい白鳥を思わせるような白いリボンが添えられて。

服装も初夏に相応しい開放的な涼やかなワンピース、髪もいつもの強気な人を思わせるポニーテールを紐解き、サラッとしたヘヤースタイル。

普段との男勝りな彼女とはまるで違うこのギャップに、俺は胸がギューとキュンとされ。

きっと俺の為に朝早起き何かして身支度をしたんだ、そう考えるとますます幸せな気分となって。

「?どうしたの、ボーとしちゃって。」
「……いや、可愛いなぁーって。」
「っ!…ヤダもぅー……でも、ありがとう、そう言って貰えると頑張ったかいがあるってものね。」

そしてお互い顔を赤く染めだし。

おいおい、そんな事だとバスに気づかないぞー。

「いやーそれにしても今日は良い天気だよなー。」
「ねぇー隼人との絶好のデート日和だ。」
「っ!」

彼女の口からそう言ってもらえて、…二人きりの別荘、可愛すぎる巴、俺を求める彼女…最早幸福の絶頂とはまさにこの事だ。そう俺が舞いに舞い上がっていると。

「……それで、あのー隼人?」
「んーどうしたー。もしかして別荘とか初めてかぁー大丈夫俺が。」
「違うの!実はね…。」

バツ悪そうに口ごもる彼女、そんな彼女の背後から姿を現したのは。

「どうもー♪」

俺と巴との間に平気でズカズカと入ってきたこの馴れ馴れしいボサボサ頭の男、誰?

「あっ、紹介すれねこの人は一条蓮、…その、私の元カレ。」
「……。」

元、彼……

………

は…

はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?

俺はどうにかこの全くの予想外の展開を飲み込み、そいつから少し距離を離れ、グイっと巴を引っ張り。

「おいっ!どういう事だよ!彼氏とのデートに元カレを連れてくるなんて!」
「ホントゴメン!でも私だって断ったんだよっ!?でもあいつが。」


「もしもし?蓮?」
「……あっ、巴、巴だよね。」
「何言ってんの…元カノの声、もう忘れたのかよ。」
「だ、だよねーあはは。」
「………何か用?私今少し取り込んでるんだけど。」
「取り込んでるって、デート?」
「そうよ、悪い?これから隼人、いや黒崎君って子と別荘に行くの。」
「そ、そっかー何だか学校でもウキウキしてたけど本当だったんだ。」
「切るね、じゃ!」
「あっ、あー!待って待って!」
「何よーだから私忙しいんだってばぁー。」
「その…。」
「……。」
「…えと。」
「さような」
「僕も連れてって!!」
「……はぃー!?」

どうやら丁度今朝支度をしている最中に掛かってきたそうで。まっ当然だよなただでさえもう関係もないただの元カレがこんな時に電話してきて、その上一緒に連れてって欲しいだ何て非常識極まりない。

「……。」
「今から走ってけば間に合うかなー。」
「蓮。」
「ん?」
「すぅーー。……バッカじゃないのっ!!?」
「っ!」
「ねぇ?自分が今何を言ったか分かってるの!私とアンタとはもう。」
「勿論!自分勝手で支離滅裂なのは承知だ、巴が困惑し怒るのも当然だと思う。」
「だったらぁ!」
「恋人でなくっても良い!ただの友達とでも、なんだったら召使いと思ってくれても構わない!僕を、僕を君の傍に居させて欲しい!」
「………。」
「駄目、……だよね?」
「仕方ないなぁー。」
「えっ!?」
「ただしっ!!少しでも私たちの邪魔をしたら即刻つまみ出すからねっ!?私とアンタはもう別れたんだから、そして今私は黒崎隼人って言う素敵な新しい恋人が居るんだから!その事実絶対に忘れんなよ!」
「ありがとう!」



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