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Time Capsule
【初恋 恋愛小説】

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第2章 特別ではない関係-2

「そうそう、こんな顔してたんだよ。幼いなー。まだ子供じゃないか。」
あの頃は強く自分達を子供だなんて意識した事はなかった。むしろもう子供ではないと言う抵抗心さえ抱いていた。しかしこうして見ると誰がどう見ても子供だ。
「大人に子供扱いされんのも無理ないな。ハハハ」
大人になってようやくあの頃の抵抗心が無力であった事を知った。

「友美と話すの、楽しかったなー。」
良く授業中もコソコソ話して先生に怒られた事を思い出す。後から聞いた話だが、先生達の間でも俊輔と友美は付き合っているのではないかと話題になってたらしい。会議にも取り上げられ、不純異性交遊に走らないようチェックされていたそうだ。

「不純異性交遊とか、懐かしい響きだな。しかし何が不純異性交遊だよ。中学生だってセックスが不純とは限らないじゃんなー。でも友美とそういう事するイメージ、全然なかったけどなー。」
先生らにマークされる程、友美に不純な感情は一切持っていなかった。

「友美、誰と初体験したんだろ…」
色々想像してしまった。最終的に友美の裸を想像してしまった所で邪念を捨てた。
「まー、今の俺は不純だな…。」
恭子やみゆきとヤリまくっていた頃よりもよほど今の方が不純だなと思い頭をかいた俊輔だった。

「友美か…」
俊輔には友美を傷つけてしまった負い目がある。それが無視されるようになった原因かどうかは本人に聞いた訳ではないから分かり得ない事だが、素直に再会を喜べない気持ちにさせられていた。

正直会いづらい。しかし明日も保育園に子供を預けに行かなければならない。そう思うと少し憂鬱になってきた。

帰宅すると亜里沙が彩音にご飯を与えていた。
「あ、お帰り〜。」
「ただいまー。」
カバンを置きジャケットを脱いだ瞬間、亜里沙が話しかけて来た。
「保育園の中里先生って俊輔の中学の時の同級生なんだって〜??」
意味は分からないがどこか嬉しそうに見つめて来た亜里沙に少しバツ悪そうな仕草で返事した。
「あ、ああ。俺もびっくりしたよ。」
「凄い偶然よね。」
「俺も初めは分からなかったよ。だいたい20年も会ってなかったからなー。」
「綺麗な人じゃん。もしかして付き合ってた??」
「ん、んな訳ないだろ…!?それに中学の頃はあんな可愛くなかったし。」
「あ、じゃあ今は可愛いって思ったんだぁ。」
「そ、そんなんじゃないって。ったく、揶揄うなよ…」
「アハハ、ゴメン!俊輔は私にメロメロだもんねー♪」
「バーカ!」
そう言って洗面所に行った俊輔だが、俊輔は私にメロメロだもんねーと戯けた亜里沙の仕草が昔の友美とダブって見えたのであった。


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