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お世話いたします……
【その他 官能小説】

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お世話いたします……-4

(4)

 ドアをノックすると、
「どうぞ」
やさしい声が聞こえた。
「コーヒーお持ちしましたけど」
「ああ、ありがとう。ちょうど飲みたいと思っていたんだ」
スーツから着替えてラフな部屋着姿だった。
「お着替え、ご不自由じゃありませんでしたか?」
「うん、それは、なんとか……」
社長はコーヒーを一口飲むと、
「風呂は沸いてるかね?」
「はい、藤堂さんが準備を。いつでも……」
「そう……」
部屋を出ようとすると、社長に呼び止められた。
「風呂に入りたいんだが、手を貸してくれないかな」
これから入りたいという。
「あの、専務は8時頃お帰りということですが……」
「うん、聞いてる。会議があるんでね。それで、新田さんにお願いしてあるということなんだが。いいかな」
「はい……」
(私が1人でやるの?……)
困ったと思ったが、歩けないわけじゃない。着替えだって1人でできる。ちょっと支える程度でいいのだろう。
私以外誰もいない。引き受けるしかなかった。 

 追い炊き状態になっているのを知っていたが、念のため湯加減を確認し、棚にある下着の着替えもチェックした。
 風呂場といっても広い。浴槽は3、4人は入ることができる。脱衣所は6畳ほどもあろうか。マッサージチェアまである。
 腰かけがあったほうがいいと思ってキッチンにある椅子を置いた。

「準備できました」
ドアを開けて慌てた。
「失礼しました」
社長は下着姿であった。
「いや、かまわないよ。下へ行くから一緒に頼みます」
捻挫した側から抱えるように腕を回す。社長の腕が私の肩を抱く。ぴったり寄り添って歩き出した。
 男のにおいが漂ってくる。抱き合っているようなものだし、下着なのだから肌のにおいまで伝わってくる。
「いつも下着のまま風呂に行くんだよ」
「そうですか……」
 
 足元を確認しながら階段をゆっくりおりていく。見ようとしなくてもパンツが目に入る。トランクスの前部がやや持ち上がっていて歩く度に揺れる。
(大きい……)
揺れ方に重量感がある。
(ああ……)
遠のいていた『女』が微かに疼き始めていた。
 離婚してからこれまで男と接したことはなかった。その間、熱くなる体を持てあまして寝付かれない夜もあったが、指の世界で慰めた。特定の男を意識したことはない。
(それが……)

「椅子を用意してくれたんだね」
「はい」
言いながら、椅子に座ろうとはせず、
「ちょっと肩貸して」
私の肩に手を置きながらパンツをずり下した。
(あ……)
目を逸らしたが、一物は見えた。
(すごい……)
そう思ったのはキノコみたいに張った亀頭の印象である。夫のモノしか知らないから標準がどんなものかわからないが、
(あんなものが入るのかしら)
驚きの中で思ったものである。しかも、角度からすると半勃起。90度までいっていない。
(目いっぱい漲ったらどうなるのか)
昂奮してきて、私は脱衣所を出ようとした。

「すまないが、タイルが滑りやすいから中まで連れてってくれないか?」
シャツを脱いで全裸になった社長が両手を上げていた。
「肩を貸して」
「はい……」
迷いがあるのに言われるまま体が動いていた。さらに角度を上げたペニスに誘われるように。……

 脱衣所に待機していたのは社長からそこにいてくれといわれたからである。
「何かお願いすることがあるかもしれないから……」
(何かって?……)
私の頭の中は何かを考える余裕はなかった。
(社長の……ペニス……)
その威容がちらついて離れなかった。

「新田さん」
「はい!」
びっくりして反射的に大きな声をあげていた。
「背中を洗ってくれないかな」
手が不自由じゃない。洗えるはずだ。……その時考えなかった。
(スーツを着ている)
上着を脱ぎ、濡れたら困ると思ってスカートも脱いだ。脱いでみて下半身が下着丸見えだと気づいた。
(どうしよう)
瞬時の迷い。専務はまだ帰らない。丸見えといってもパンストとスリップに被われている。時間がなかった。

 社長は風呂椅子に腰かけて背中を向けていた。
「悪いね、こんなことまでさせて」
「いえ……」
「特別手当、はずむから」
「そんな……十分いただいてます」
タオルにソープをつけて背中を洗った。大きな背である。この向こうに、
(アレがある……)
頭に焼き付いていたものの、
(見たい……)
しかし、覗き込む大胆さはなかった。

「ありがとう。もういいよ」
「シャワーかけますね」
背中の泡が流れていく。
「ああ、さっぱりした」
社長がいきなりすっくと立ちあがるとシャワーのお湯を追うように向きを変えた。
(!)
ギョッとした。一物が完全に勃起していたのである。シャワーを持ったまま思わず見入ってしまった。鈍い唸りをたてて動き出しそうな逞しいペニスであった。
「気持ちよかった。出るよ」
私は浴室を出てバスタオルを拡げ、社長の肩にかけ、脱衣所を出た。昂奮からくる微かな震えを覚えてじっとしていられなかったのである。

 息が弾んでいた。久しぶりに女の炎が燃えていた。
(そうだ……)
気が付いて濡れたパンストを脱ぎ、スカート、上着を身に着けた。
(こんなところを専務に見られたら……)
びっしょり汗をかいていた。
 
  
 
    

 


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